三井住友の巨額増資で、資産圧縮競争が幕開け

三井住友の巨額増資で、資産圧縮競争が幕開け

三井住友フィナンシャルグループが再び、8000億円規模の普通株増資をブチ上げた。昨年6月に公募価格3928円で8610億円を調達したが、その後株価は2000円台後半に下落したまま。ロックアップ期間明け直後の再増資は、まさに禁じ手といえる。

「希薄化率は前回増資と併せて7割。正直、このタイミングでやるか随分迷った」と同社役員は語る。

昨年12月末に発表された国際的なBIS資本の強化のたたき台は厳しいものだった。最も中核的な資本としてのTier�コモンエクイティを普通株と内部留保にかぎり、優先株や優先出資証券を認めないだけでなく、控除される項目も幅広い。最悪のケースでは、巷間Tier�コモンエクイティの最低ラインと予測されている4%をクリアするのは、3メガバンクグループ中、昨年暮れに1兆円増資を行った三菱UFJフィナンシャル・グループだけとなる。

「(すでに規制対応の増資で先行している)欧米金融機関の再増資や、中国の金融機関の増資も予想され、早くやらないと負けてしまう」(前出の役員)。まさに生き残りを懸けた苦渋の決断というわけだ。

合わせ技で新規制対応

今後、収益力がアップしなければ株主への裏切り行為となり、配当負担も重くなる。

前回の増資では日興コーディアル証券買収という具体的な材料を打ち出せたが、今回は「アジアでのM&A」と、まだこれは画餅だ。

ただ、同社らしいがむしゃらぶりが見えたのは、約5兆円の不採算資産の削減で5000億円の資本余力をたたき出すことや、持ち合い株の4000億円程度の圧縮など、自己資本比率規制の分母であるリスクアセット(約55兆円)の圧縮を表明した点。

ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 礒部公一のプロ野球徹底解説!
  • 森口将之の自動車デザイン考
  • 30歳とお金のリアル
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
衰退か再興か<br>アトキンソンと考える<br>日本の生存戦略

急激な人口減少と高齢化の先に待ち受ける地盤沈下を避け「日本再興」を進めるには、従来の常識にとらわれず新しい発想で問題に取り組むことが必要だ。最低賃金の引き上げを含む3つの生産性向上策を軸に、日本が生き残る道を探った。