自由診療にすがり急逝した乳がん患者の末路 有効性なき免疫療法の何とも許されざる実態

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がん細胞は、免疫細胞の働きを制限する作用で自らを守る。オプジーボは、その制限を解除して免疫細胞にがんを攻撃させる。  

これに対して、自由診療の「免疫療法」の大半は、患者の血液からリンパ球を分離して、免疫細胞を培養(もしくは活性化)。そして再び体内に戻して、がんを攻撃させるという理論。だが、この方法は30年以上前から、数多くの臨床試験が行われ、有効性が証明できなかった。

(※免疫療法の一種であるCAR-T療法は、急性リンパ芽球性白血病に有効性が確認され、公的医療保険の適用になっている)

本庶氏の理論は「ホンモノ」、自由診療で行われているのは「ニセモノ」の免疫療法といえるだろう。

副作用で死亡する事故も

最近は、抗がん剤治療と並行して自由診療の「免疫療法」を勧めるクリニックも増えているが、有効性は確認されていない。そればかりか、オプジーボと「免疫療法」を併用した患者が、副作用で死亡する事故も起きているので、リスクが高いと考えるべきだろう。

効果が証明できない「独自のがん治療」で、莫大な治療費を取る──。

一般の感覚では詐欺に等しい行為だが、医師には「裁量権」が認められているため、違法ではない。「裁量権」とは、専門的な医学知識や臨床経験をもとに、医師が治療方法や時期を選択する権利のことだ。

保険診療は、基本的な治療手順が決められているが、医師の裁量に任されている自由診療は、治療効果が見込めなくても高い治療費を取ることが可能なのだ。

東京駅に程近い、中央区京橋の高層ビルに、免疫療法のクリニックを構えていた医師がいる。大手出版社から何冊も本を出し、雑誌などのメディアにも登場していた、知る人ぞ知る人物だ。その医師は、肺がんステージ4の患者に対して、免疫療法の治療に「1クール400万円×ステージ数」と説明した。

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