コロナでも「客トラブルゼロ」台湾そごうの秘訣 非常事態で見えた、店と客の「望ましい関係」
「今回作った防疫マニュアル(SOP・標準作業手順書)はありますが、衛生管理などは普段から徹底して教育していますので、特別な教育は何も行っていません。フードコートでは水周りはもちろん、食器の片付けもアウトソースしているスタッフさんたちがすぐに片付けてくれます。何十年もかけて培った日本式のOJT教育の賜物です」(播本氏)
デパートに出店しているアパレルやレストランの声
「遠東SOGO」に出店する、テナント側の見方と現状はどうか。
『MKミッシェルクラン』『ヒロココシノ』などを出店している日系アパレルのイトキン株式会社。その台湾支社でヴァイス・ジェネラルマネジャーを務める多田由紀氏によれば、
「弊社の『MKミッシェルクラン』はパンツが好評アイテムですが、フィッティングを必要とするので、コロナが世界的に広がった時期は来店数やお店での滞在時間も大幅に減少、コーディネイト販売にも影響が出て、客単価も思うように伸びませんでした。それが5月に入り、コロナの収束とともにパンツの売り上げが戻りつつあります。
日本ではデパートが直接お客様をご訪問する外商サービスがありますが、台湾にはその習慣がありません。代わりにデパートのアプリによるイベント告知や優待、決済サービスなどがあることをご紹介しています」
と、売り上げが戻りつつあるとともに、オンラインを強化する姿勢がうかがえた。
「遠東SOGO」のレストランフロアで「和食えん」を経営する株式会社ビー・ワイ・オー台湾法人の斉藤進代表は、
「デパートの入口で検温と両手の消毒を行うほか、当店の入り口でもまた同様のことをお願いしていますが、お客様とトラブルなどは無かったですね。むしろもっとこれをしたほうがいいなどとアドバイスをいただくことのほうが多いです。あと1カ月遅かったら従業員カットもやむ負えないような状況でしたが、台湾は官民が一体となって持ちこたえてくれました」
と語る。
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