消費を「不要不急」と「必要」に分けて調べてみた コロナ後の「新しい生活様式」はデフレを招く

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需給バランスの変化と価格変化の関係を調べるため、「不要不急支出」と「必要支出」のそれぞれにおいて、品目別消費支出および品目別価格の前年同月比について、1月から4月の変化を比較してみた。

「新しい生活様式」は総じてデフレ的に

結果は「必要支出」については、品目別消費支出の変化と品目別価格変化の相関はほとんどない一方、「不要不急支出」については、多少なりとも正の相関があることがわかった。

つまり、非耐久財が多い「必要支出」については、消費が増減しても価格に大きな変化はない。他方、耐久財や半耐久財などが多く含まれる「不要不急支出」については、消費の増減に比例して価格が変化する可能性がある。つまり、「必要支出」が増加して「不要不急支出」が減少するという4月にかけての自粛生活は、総じてデフレ方向に作用していたとみられる。

今後の「新しい生活様式」の下でもこの傾向は緩やかに続くとみられ、「不要不急支出」の減少によって「不要不急支出」の価格下落が進み、全体としてはデフレ傾向が生じるだろう。

末廣 徹 大和証券 チーフエコノミスト

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すえひろ とおる / Toru Suehiro

2009年にみずほ証券に入社し、債券ストラテジストや債券ディーラー、エコノミスト業務に従事。2020年12月に大和証券に移籍、エクイティ調査部所属。マクロ経済指標の計量分析や市場分析、将来予測に関する定量分析に強み。債券と株式の両方で分析経験。民間エコノミスト約40名が参画する経済予測「ESPフォーキャスト調査」で2019年度、2021年度の優秀フォーキャスターに選出。

2007年立教大学理学部卒業。2009年東京大学大学院理学系研究科物理学専攻修了(理学修士)。2014年一橋大学大学院国際企業戦略研究科金融戦略・経営財務コース修了(MBA)。2023年法政大学大学院経済学研究科経済学専攻博士後期課程修了(経済学博士)。

 

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