内閣支持率が急落、浮上する秋のコロナ解散説

安倍チルドレンに渦巻く巻き添え落選の恐怖

そこで浮上してきたのが「9月末解散・10月25日投開票」という日程だ。コロナの緊急事態宣言下の4月下旬には、衆院静岡4区補選が実施されており、与党幹部も「国政選挙はいつでもできる」と強調する。となれば、「経済復興のための2021年度予算審議直前の年明けより、秋口解散のほうが政治空白の悪影響は少ない」(自民幹部)のは自明の理だ。

その布石ともなるのが、第2次補正予算に計上された10兆円という巨額の予備費だ。「コロナ対策に臨機応変に対応するため」(政府首脳)が建前だが、与党幹部は「これで当面は第3次補正の必要がなくなる」と解説する。

都知事選後に夏の内閣改造も

安倍首相が政権のレガシーにと意気込んだ全世代型社会保障制度改革は、コロナの影響で最終案取りまとめが年末にずれ込み、関連法案提出も2021年の通常国会以降に先送りされた。一時盛り上がった「9月入学」は断念を余儀なくされ、検察庁法改正案を含めた国家公務員定年延長法案も宙に浮いたままだ。

加えて、第3次補正も急ぐ必要がなくなれば、急いで臨時国会を召集する必要もなくなる。開けば野党の政権攻撃の舞台となるだけだ。「それを封じるには、臨時国会での冒頭解散しかない」(自民国対)というわけだ。

ただ、「秋口解散には環境整備が必要」(閣僚経験者)だ。そこで浮上しているのが都知事選後の夏の内閣改造・党役員人事による態勢立て直しだ。黒川問題の国会答弁で「閣僚失格」の烙印を押された森雅子法相を始め、「在庫一掃の閉店セール」とまで酷評された現内閣の問題閣僚を総入れ替えし、人心一新を図る。

さらに、ここにきて安倍首相との不仲説もささやかれる二階幹事長や菅義偉官房長官を含めた政権の3本柱の配置換えや、反安倍グループの先頭に立つ石破茂元幹事長の要職復帰などで挙党一致態勢を演出できれば、「内閣支持率も回復可能」(政府筋)というわけだ。

国会閉幕直後にも予想される河井克行前法相と夫人の案里参院議員の公職選挙法違反(買収)での逮捕・立件も、黒川問題で批判の的となった「官邸の人事介入による検察封じ込め」との国民的不信の払拭につながる可能性もある。

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