日テレが"O2O2O"を加速するワケ 「放送と通信の融合」は、次のステージへ

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――スマートフォンへメッセージをプッシュ配信する仕組みはどのようなものなのですか?

ビーマップ社の“スマートプッシュ”というサービスを採用しています。コンビニ、スーパーなどの店舗内に設置されたWi-Fi機器を来店センサーとして利用し、消費者のスマートフォンを識別します。

番組の参加者だった場合、利用者のスマートフォンに情報をプッシュ配信します。Wi-Fi機器の無線電波の圏内に入った瞬間に送るのです。

また、アップルがiOSの最新バージョン「iOS7」で導入した「iBeacon」にも対応しています。Bluetooth(近距離無線通信の規格のひとつ)方式の発信機を店内に設置して、数メートルから数十メートルの範囲で、消費者の位置を計測し、メッセージなどをスマートフォンにプッシュ配信できます。

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日本テレビが想定するO2O2Oのソリューション例

――そもそもO2O2Oに取り組まれた経緯は?

これまで日テレは、オンエア(テレビ放送)からオンライン(ネット)へ促すO2Oを徹底的に行ってきました。具体的には「JoinTV」という、テレビとソーシャルメディアを組み合わせて視聴する仕組みを使い、番組と連動する企画を作ってきました。

JoinTVでは、テレビの画面上に視聴者のフェイスブック上の友達が表示され、離れた場所にいても、一緒に番組を楽しむことができます。テレビは一意に同じ情報を出すことを得意としている媒体ですが、オンラインと組み合わせると、人に応じて情報を出し分けることができるのです。

2012年11月、人気アニメ「エヴァンゲリオン」新劇場版2作目を放送した際、JoinTVと連動したところ、面白いことがわかりました。放送の翌日が、第3作目のエヴァンゲリオンの劇場公開日だったのですが、映画館に行った方の4人に1人が前もってこの番組企画に参加してくれていました。

テレビとスマートフォンの連動企画では、視聴者が深く番組に入り込んでくれます。結果、映画館まで足を運んでくれたのです。これを仕組みとして作ったのが「O2O20」というモデルです。

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