また、キャンペーンを随時実施するなど、よりユーザーが利用しやすくなるような工夫も加えている。以前には半額還元キャンペーンを開催したこともあった。
NEW PORTは対象地域が限られていることもあり、注文5000円以上は配送料無料、それ以下は500円という固定制をとっている。また同じ施設内にある複数の店舗からの注文の場合、1店舗分の送料でデリバリーするというサービスも。さらに、5月中に500オーダーまで配送料無料のキャンペーンを実施したところ好評だったという。
デリバリーの経験が長い同社では、蓄積したノウハウに基づき、新規導入店舗に対しさまざまなアドバイスもしているという。とくにポイントとなるのが、見た目だそうだ。
「デリバリーは食品そのものがお店とお客様の接点。開けてみると食欲がなえた、ということでは機会を失ってしまいます。容器もコストダウンしすぎると、かえって失敗します」(スカイファーム榎本氏)
多角的な経営で成功を収める「たいめいけん」も参入
今回、サービスを利用する店舗側の声も伺うことができた。1カ月ほど前からmenuにテイクアウトの店舗として参加し、デリバリーも検討中という「たいめいけん」だ。
同店は昭和6年に創業し、中央区日本橋に本店を構える老舗。本店は1階と2階で価格帯を分けており、とくに1階はよりカジュアルに洋食が楽しめる店として、コロナ以前は観光客、とくにインバウンドからの人気も高まっていた。しかし現在、売り上げは9割減。近隣オフィスで働くビジネスパーソンをターゲットとしていたテイクアウト料理の注文も、リモートワークの影響で落ち込んでいる。
「レストランはランチ時間帯のみ営業しています。テイクアウトも日に2〜3組というところです。今日は少しよくて、5組注文がありました」(たいめいけん3代目オーナーシェフの茂出木浩司氏)
茂出木氏は同店の3代目であり、マスコミにも露出の高い“名物店主”でもある。そのインパクトのあるキャラクターにより、店舗の知名度アップを図ってきた。また本店近辺にあるデパートでデリカ専門店を営業するほか、冷凍食品のメーカーや小売りチェーンと提携し、弁当事業にも手を広げていることも、ブランド力向上に役立っている。
多くの飲食店で利益が大幅減少し、倒産のニュースも報じられる今、同店では以前より行ってきた多角的な経営が救いとなっていると言えるだろう。
同店ではmenuに参加する以前より、近隣のお得意様を対象に、独自にテイクアウトサービスを行ってきたという。そのためmenuの導入もスムーズだったようだ。
「持ち帰り用のパッケージもオリジナルのものをこしらえました。テイクアウトには、店舗で出すのとはまた違う工夫が必要です。例えばラードをサラダ油にしたり、味つけを少し濃くするなど、冷めてもおいしいものでなければなりません。
また、見過ごされがちなのですが、テイクアウトで大変なのが衛生管理です。うちはスーパーなどで販売する弁当の監修も含めて、20年のノウハウがありますから、その点はしっかりしています」(茂出木氏)
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