あの「たいめいけん」が手を組んだmenuの正体 名店のテイクアウトや宅配をITでサポート

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menuは立ち上げ当初、「高級店や個店を扱う」ことで差別化しようとしていたようだ。しかしなかなか想定どおりにはいかず、加盟店のなかにはチェーン店なども名を連ねている。

ただし皮肉と言おうか、コロナの影響のもと、ミシュランの星獲得店、有名店などが新たに加わった。同社のアプリ内「至高の名店」コンテンツで掲載されている店舗だ。2日前の予約制で、料金には「銘店サービス料」10%が加わる。

しかし、外食できない今、人々はみな、飲食店で楽しめるはずの非日常性、ハレの日感に飢えている。

また予約もとれず、行くのにちょっと勇気のいるような有名店の味を味わえるのは非常時である今ならでは、ということで、高いお金を出しても注文する人が増えているという。

神奈川県横浜市では、地域活性化を目指したデリバリーサービスが始まっている。スカイファームが運営する「NEW PORT」だ。こちらはサービスそのもののスタートは2015年。個人店を中心に、この地域ならではの店を掲載するECサイトとして特徴を出しており、これまでは主に、オフィスビルなどのランチ、パーティー需要など、法人向けとして展開してきた。

そしてリモートワーク、外出自粛といった状況の中、個人向けのサービスに舵を切り、4月30日から横浜市と連携し「うまいぞ!横浜。」プロジェクトを開始した。同サイト内に中華街の特設ページを開設するほか、商店街の市内飲食店も出店し、近隣住民へのデリバリーも行う。サイト掲載にかかる初期費用などを半額以下、月額手数料を無料にして、登録店舗を募る。

「プロジェクト開始以前は登録店舗が30〜40件といったところでしたが、その後15〜20店舗増えており、お問い合わせは多数いただいています。飲食店の売り上げが落ち込んでいるということで、商業施設とも課題を共有し、デベロッパーさんからも店舗に声がけをしてもらっているところです」(スカイファーム広報の榎本祐作氏)

地域を対象としており、ユーザー数は多くないものの、受注数はプロジェクト開始前の10倍に、サイトのPV数は30倍となっているそうだ。

手数料を低く抑える工夫も

さて、デリバリー注文するとき、ユーザーとして最も気になるのが配達にかかる手数料だ。出前館は掲載店舗ごとに異なり、0円のところもあれば、数百円というところも。ウーバーイーツは配達距離や配達員の状況に応じ、店ごとに異なる手数料がかかる。これにプラスして、ウーバーイーツが配達する場合は10%のサービス料も必要だ。

menuでは、注文が集中するランチとディナーの時間帯とそのほかで配達手数料を変動するなどして、手数料を抑える工夫をしているという。また、内部には、配達員の経験値をポイント制にすることで人件費コストに経験値による変化をつけ、手数料が高くなりすぎるのを抑えているそうだ。

「4月からデリバリーサービスを始めたため、手数料については試験的に導入しつつ、効果を見ているといった段階です」(menu二ノ宮氏)

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