「ヤリスクロス」、C-HRやライズと異なる強み

激戦区のSUV市場でどこをアピールするのか

ヤリスクロスは、ハイブリッド車とガソリンエンジン車ともに、FFと4WDの設定があり、選択肢が広い。またガソリンエンジンは、排気量が1.5リッターの自然吸気(NA)を搭載する。小排気量のガソリンターボと、それを上回る排気量のガソリンNAエンジンでは、運転感覚は異なるものだ。

5ナンバーサイズの車体を持つ「ライズ」(写真:トヨタ自動車)

5ナンバー車となるライズは、排気量1.0リッターのガソリンターボエンジンのみの設定で、ハイブリッド車はない。ただしFFと4WDから選ぶことができる。その1.0リッターガソリンターボエンジンは直列3気筒のため、4気筒に比べ若干、振動や騒音は大きく、上質さの面でヤリスクロスやC‐HRが上回るといえそうだ。

簡単にまとめると、ハイブリッドの4WDが欲しければヤリスクロスしかない、ということだ。

維持費の面では、エンジン排気量の違いにより、毎年6月に支払う自動車税の額が変わってくる。ライズは1.0リッターといっても、実際には996ccで1.0リッター未満なので、税額は年間2万5000円だ。C‐HRとヤリスクロスのガソリンエンジン車は、排気量が異なるものの1.5リッター以下なので年間3万500円である。

ハイブリッド車では、ヤリスクロスが1.5リッターなのでガソリンエンジン車と同額になるが、C‐HRは排気量が1.8リッターなので年間3万6000円と、5500円の増額になる。

国内市場に目を向けたSUVは欧州でも戦力になる

車体寸法や動力、そして税金など実用面でそれぞれに少しずつ違いがあり、消費者の住まいや車庫の事情、経済状況などによって幅広い選択肢が三者三様に構成されている。もちろん、それらとは別に外観の好みや室内の広さ、荷物の積みやすさなども、選択理由になる。

「ヤリスクロス」のインテリア。基本的な造形は ヤリス」と同じ(写真:トヨタ自動車)

いずれにしても、ヤリスクロスは国内市場にしっかり目を向けたコンパクトSUVとして、互いに食い合うのではなく、トヨタの販売台数を押し上げる戦力になっていくのだろう。

欧州で販売された際の戦力も考えてみよう。冒頭に述べたように、欧州のコンパクトSUVは選択肢が豊富で、すでに高い人気を博している車種もある。

その中でヤリスは、車体全長やホイールベース(前後タイヤ間の距離)で同じライバルたちの中でも小さい方に位置しており、路上駐車の多い欧州では日常的な扱いやすさという点で喜ばれるだろう。

パリの路上駐車が有名だが、互いにバンパーをぶつけながら出し入れするような駐車事情の中で、全長が少しでも短かったりハンドルの切れがよく小回りが利いたりすることは重要だ。

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