NTTセット割解禁なら暗黒時代へ逆戻り

KDDI田中社長が規制緩和に猛反発

――昨年からはドコモもiPhoneを導入し、端末自体の差別化は難しくなっている。

KDDIとしては、そんな中でも差別化を進めようと、タブレットとスマホとのデータシェアプランを提供したり、曲面ディスプレイのスマホも投入してきたが、高額なキャッシュバックに隠れてしまっている状況だ。だが、今年度以降は、LTEの次の技術である「LTEアドバンスト」が徐々にスタートする。音声通話も3G回線からLTEネットワークを利用できるようになる。つまり、ネットワーク品質など、再び他社との違いを訴求できるようになるので、競争環境は健全な方向に向かうのではないか。

「海外ではこれから伸びる新興国の市場をターゲットにしたい」(田中社長)

――何が変わっていくことになるのか。

料金設定の方法が変わっていくだろう。振り返ると、従来型のフィーチャーフォンの時代は、さまざまな音声やデータ通信のプランがあった。ただ、ソフトバンクの「ホワイトプラン」が発表された後は、われわれもそこに引きずられる形となった。データ通信に関しても、わかりやすいプランを求める声が多かったため、現状の定額プランになった経緯がある。

今後は、乗り換えに慎重だった方もスマホを利用するようになるので、色々なプランがないと厳しいだろう。3社がそれぞれ、要望にあったプランを提供できればよいのだが。

――海外戦略について。ミャンマーで携帯事業参入を目指しているが、今後の海外展開の方針は?

ミャンマーでは住友商事と連携し、市場参入に向けて国営通信事業者MPTとの独占交渉権を獲得して協議中だ。まだ時間はかかるだろう。われわれは成長を重視しているので、海外ではこれから伸びる新興国の市場をターゲットにしたい。すでに成熟した米国市場に参入するソフトバンクとは違う。これは考え方の差だろう。中心となるのはやはりアジアだ。人口が多く、携帯電話の普及率が低い国も多いので、有望だと思っている。

――2015年度まで2ケタ営業増益を続けると標榜している。それ以降はどのように成長していくのか。2013年4月に連結子会社化したジェイコムとの連携は?

ジェイコムは、通信の分野ではインターネットを手掛けているのでKDDIと近い。スマートバリューでも連携している。また、映像コンテンツを流している会社でもある。KDDIも動画を強化する方向で取り組んでおり、これから色々協力できると思っている。セットトップボックス(デジタル専用チューナー)のような、アンドロイドベースで連携がしやすいものを広げているというのはそうした戦略からだ。

もうひとつ、電子マネーカードを使った決済サービス「auウォレット」を本格化させる。バーチャルな世界だけでなく、リアルでも橋頭堡を築く取り組みだ。スマホは最も身近なデバイスだが、スマホだけでなく、テレビや物販などのリアルでの展開も含めて、さらなる成長を目指す。これが15年度以降の戦略に関して、現時点で言えることだ。ある日突然、大きな発表があるわけではなく、今から準備を進めていかなければならない。

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