日本でiPhoneが異常に売れているワケ

5sがバカ売れ。4月以降はどうなるか

日本で異常ともいえる勢いでアイフォーンが売れている。IDCジャパンの調べによると、昨年第4四半期の日本におけるアイフォーンのシェアは40.9%(前年同期は32.8%)。この計算の分母にはフィーチャーフォン(従来型携帯電話)が含まれており、スマートフォンのみで計算すると51.3%に上る(前年同期は42.1%)。

今年に入ってからはアイフォーン購入者向けのキャッシュバック競争がヒートアップ。スマホ新規契約に占めるアイフォーンのシェアは7割との調査もあるほどだ。そもそもアイフォーンがシェアトップの国は、日本以外ではアップルの母国である米国くらい。その米国でもシェアは40%台にすぎない。

5sが異常に安いニッポン

もちろんアイフォーンが優れた端末であることは間違いないが、それだけでは説明がつかない。日本でのシェアが高まっている理由は、ずばり「MNP(番号持ち運び制度)で転入した場合の5sが異常に安い」からだ。

本来、アイフォーンは高級機という位置づけ。IDCの調査によると、昨年の端末平均単価は335ドル。内訳はアイフォーンが650ドルに対し、アンドロイド端末が276ドルだ。ところが日本ではアイフォーンもアンドロイドも価格差がない。

そのうえ、各社ともスマホ普及を促す看板機種としてアイフォーン5sを想定。アップルからの大量仕入れを進めてきたのだが、普及率が50%を超えた頃からスマホへの移行が急速に鈍化。各社とも昨年12月ごろから在庫を抱えるようになってしまった。そこで年明け以降、通信事業者はMNP転入の5sに5万円という手厚いキャッシュバックをつけ、5sを実質ゼロ円で購入できるようにしてきた。これが足元で急速にアイフォーンのシェアが拡大している理由の一つだ。

ただし潮目が変わりつつある。ソフトバンクは代理店に対して、5sへの報奨金を3月17日からは3万円に、4月1日からは1万円に引き下げると通知。NTTドコモ、auも同様に過熱商戦に幕引きを図ろうとしている。そうなると、一部のアンドロイド端末のほうにオトク感が出てくるだろう。4月以降は、少なくとも「新規契約の7割」という異常シェアは終焉しそうだ。

(撮影:吉野純治 =週刊東洋経済2014年3月29日号<24日発売>のニュース最前線に一部加筆)

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