家族4人で52万円! 沖縄スマホ販促の壮絶 局地的に「キャッシュバック」が過熱

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3月17日、auのショップに「家族4人で最大41万円」の表示

卒業、新生活シーズンを迎える3月は、携帯電話会社にとって最大の書き入れ時。全国の携帯ショップは他社からの乗り換えを促すポスターを店頭に掲げ、ユーザー獲得に向け追い込みをかける。今年は、NTTドコモがアップルのアイフォーンを導入して初めての商戦期ということもあり、例年に増して激しい消耗戦となっている。その中でも、激戦区として知られるのが沖縄だ。沖縄では現在、札束が飛び交う「キャッシュバック競争」が繰り広げられている。

「沖縄のユーザー獲得競争は本土よりも激しい。現在、家族4人で最大52万円のキャシュバックが確認できている」

こう話すのは、沖縄でauのサービスを提供するKDDIの連結子会社、沖縄セルラー電話の北川洋社長だ。同社も、上写真のように「家族4人最大41万円」などと、ショップ周辺の状況に合わせてキャシュバックを設定しているという。北川社長が指摘する52万円のキャッシュバックはソフトバンクショップの一例だが、ドコモショップも「家族4人で36万円」とチラシで宣伝するなど、1契約当たり10万円近い高額キャッシュバックが横行しているのだ。

観光ついでに沖縄で契約するとお得に

他の都道府県でも、一部のショップが破格のキャッシュバックを一時的に行うケースはあるが、全県規模で多くの店が大規模なキャッシュバックを行っているのは、沖縄だけだ。携帯電話の契約は、住んでいる場所と関係なく、どの都道府県でも行うことができる。家族が多ければ、「沖縄観光のついでに契約をしたほうが、往復の航空運賃を差し引いても得する」というケースが考えられる。

なぜ沖縄で激しいキャッシュバック戦争が起きているのか。

沖縄のキャッシュバック競争に火がついたのは2012年7~9月期のこと。夏商戦に合わせ、ドコモが高額キャッシュバックに打って出たのがはじまりだった。スマホとタブレットを同時契約するユーザーに対して、沖縄限定の「うちなー割」と合わせて総額10万円のキャッシュバックを投下したのだ。このインパクトは絶大だった。ドコモは全体の純増数のうち、7割超を獲得して首位に立った。それまでは、沖縄セルラーが7割超を安定して獲得してきたが、一気にひっくり返すことに成功したのだ。

もともと、沖縄はauのシェアが約5割と高く、ドコモが3割半ば、ソフトバンクが十数%という市場環境にある。ドコモが首位のauを切り崩すための戦略で「地域を限定してテスト的にやっていたものだった」(ドコモ幹部)。

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