「ドコモ2カ月ぶり純増首位」のカラクリ 伸びているのは格安SIMカード
数字上は、NTTドコモが好調だ。3月7日に各社が明らかにした2月の契約者動向では、26万7900件の純増となったドコモが純増首位だった(ソフトバンクの純増数26万6000件、KDDIの純増数22万0500件)。昨年12月以来、2カ月ぶりの首位奪還である。
番号を変えずに携帯会社を乗り換える「携帯番号ポータビリティ(MNP)」は差し引き4万8100件のマイナス(流出超)。流出が続いていることは変わりないが、8万1000件のマイナスだった1月からは大幅に改善した。昨年9月のアイフォーン5s導入以降では、最も少ないマイナス数となった。
これらの指標から、ドコモは勢いを取り戻しつつあるかのように見える。しかし、「アイフォーンの販売が好調で純増トップを獲得した」「他社への流出にもブレーキが掛かった」という風に考えるのは早計だ。
月次データの詳細を見ると、ドコモのスマホ向けネット接続サービスである「SPモード」の契約数はほぼ横ばい。アイフォーンなどを中心とした純増であれば、こちらの数値が上昇していなければおかしいのだが、伸びていないのだ。また、デジタルフォトフレームや自販機向け通信機器などを含む「通信モジュール」を見ても、1月に比べて3300件しか増えていない。
MVNOのおかげ?
ここから考えられるのは、契約純増数のうち、多くを占めているのが、MVNOが提供する「格安SIMカード」なのではないか、ということ。MVNOとは、ドコモなど、通信会社のネットワークを借りて通信サービスを提供する会社のことで、ドコモの契約数としてカウントされている。代表的なMVNOは、NTTコミュニケーションズ、インターネットイニシアティブ、日本通信など。こうした事業者は、格安のスマホ向けサービスを提供している。KDDI、ソフトバンク(グループ会社のイーモバイルを除く)は外部事業者に回線を提供していないため、みなドコモの回線を使用している。
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