緊急事態解除で「残念な人」にならない為の心得 気づきを生かし自分と周囲を守って生活しよう

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「駅から自宅への帰り道、あまりに暑かったので『あと少しで家に着くからいいかな』と思ってマスクを外したら、ひと言も話したことがない近所の人から『非常識だよ』と叱られました。ムカッときたのでマスクをつけて反論したら、顔をそむけられて去り際に『こういうバカに言っても仕方がないか』と吐き捨てられたんですよ。これくらいのことで暴言を吐くなんておかしくないですか?」(20代男性)

緊急事態宣言の期間が長くなったことで、「不満をためた“自粛警察”が自分の身近なところにもいる」と感じた人は少なくないでしょう。それは解除後も第2波の不安が消えないかぎり変わらないだけに、外出先では「『自分が感染しているかもしれない』という前提で、他人に感染させない」ための配慮が求められます。

そのような配慮は近しい人にも必要であり、「マスクをつける」「少し横を向いて話す」「大声で話さない」「微熱があるときは会わない」「(家や会社で)外出先から帰ってきたら手を洗う」などの基本的なマナーは必須。「感染予防」という理由以上に、「親しき仲にも礼儀あり」の姿勢が「この人は自分のことを大事にしてくれる」という優しさを感じさせ、相手との関係性はよくなるでしょう。

友人関係の白黒をはっきりつける

外出自粛によって友人グループで会う機会が減ったことも、その関係性に影を落とし、悩みにつながっていました。

「いい飲み仲間だと思っていた友人たちとの関係性に悩んでいます。何度か5人でリモート飲み会をして近況報告をしたのですが、友人たちが何かにつけて『それはよくないよ』とか、『やめたほうがいい』とか否定されることが多くて、今後の付き合い方を考えてしまいました。『価値観が違うのかな』『何で上から目線なんだろう』と思いましたし、悪気はないのかもしれませんが、LINEのグループでも私だけ浮いてしまうようになった気がします……」(40代女性)

これまでのコミュニケーション形式がいったん途切れ、まったく話さなくなったり、手段がネットツールに変わったりしたことで、価値観の違いなどに気づかされ、「友人との関係性に疑問を抱いた」という相談も目立ちました。

「緊急事態宣言が解除されたら元に戻るから、まあいいか」と、なし崩しにするのではなく、価値観の違いを認めたうえで付き合っていくのか。それとも、この機会に関係性をきっぱり絶つのか。気づきを得たタイミングだけに、自らの意思で決めることが大切です。

また、シビアなときだからこそ、友人に同じ価値観やノリを要求しないことも大切。自分にそのつもりはなくても、相手はあなたが常識のない人や自粛警察に見えるかもしれないのです。

その意味でぜひ覚えておいてほしいのが、友人にできるだけ「コロナ禍のストレスを口にしない」「政府やテレビ番組、政治家や芸能人などを批判しない」こと。何気なく言ったつもりでも相手からしたら楽しくないうえに、「ネガティブな発言に合わせて」「あなたもそう思うでしょ」という同調圧力を感じさせてしまいます。

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