緊急事態解除で「残念な人」にならない為の心得 気づきを生かし自分と周囲を守って生活しよう

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客側だけでなく、店側からの悩み相談メールもいくつか届いていますが、その内容は実にシビアなものでした。

「店の経営的には、『苦しいながらも何とか持ちこたえている』という状況ですが、それでも緊急事態宣言が解除されて、どこかの国のように『“リベンジ消費”の客が殺到したらどうしよう……』と店員たちが怖がっています。『ある程度は来てほしいけど、多すぎると怖い』という複雑な心境です。私たちは腹をくくるしかないのでしょうか?」(40代男性)

このようなメールが、ショッピングモールのテナント、アパレルショップ、家電量販店など複数業態のスタッフから届きました。特別定額給付金の10万円もあり、ショッピングを考えている人は多いでしょうが、飲食店と同様に購入者としてのマナーが必要。まだ平時に戻ったわけではない以上、やはり「客だから」という上から目線ではなく、感染対策に加えて「営業再開してくれてありがとう」とスタッフを気遣う優しさが必要ではないでしょうか。

外出できないから友達とも会えないし、買い物にも行けないし、寂しくてやることもなくて、一人でいる悲しさが身に染みました。ずっとやろうと思っていたけど、心のどこかで避けていた婚活を始めたいと思っています。何をどう始めたらいいでしょうか」(20代女性)

実はこの1カ月間で22人もの男女から婚活の相談が届きました。外出自粛の日々が長引くほど、一人でいることの心細さを感じるのは当然であり、東日本大震災の発生後がそうだったように、今回も多くの人々が婚活を始めるきっかけになりそうです。

前述したように、人間関係を見つめ直す人が多い現在は、価値観のすり合わせがしやすく、意気投合につながりやすい婚活の絶好機。特に今回のような緊急時の価値観が一致する相手とは、危機を乗り越えやすい夫婦になれる傾向があります。実際、現在は婚活アプリなどを積極的に活用している人も多く、ポジティブな意味で“コロナ婚”を目指すのもいいのではないでしょうか。

働き方の提案を受け入れやすい時期

もう1つ、みなさんに伝えておきたいのは、ビジネスシーンでの振る舞い。私のもとには、主に働き方に関するいくつかの相談が寄せられました。

「週に1回だけ出社してあとはリモートワークをしていましたが、大きなトラブルなくやれています。それより、混んでいる電車に乗らなくていいし、上司と顔を合わせなくていいし、余計なお金もつかわないし、いいこと尽くめなので、元に戻ったらやっていけるのか不安です」(30代男性)

相談メールの中で最も多かったのは、この男性と同じように「元の働き方に戻りたくない」というもの。出退勤、会議、資料、ツールなど、これまでの慣習で続いていたもので、業務の遂行と収益に支障がないのであれば、この機会が会社側にそれを見直してもらうチャンスです。

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