マスク、消毒液「実売値」に見た品薄解消の現実 爆発的な需要増が一巡し流通が落ち着いてきた

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殺菌消毒(アルコール消毒等)商品も結果的には回復基調にある。私の家庭でも職場など、私の周りではコロナ禍の前に消毒していたのは私だけだった。それがすっかり店先やオフィスなど至る所で置かれるようになった。

これも同じく、1月最終週にピークで買い物指数が約2万3000を迎え、その後に品切れにより急落。3月1週目には約1300になった。この頃は来店者のほとんどが購入できていなかっただろうが、5月1週目には約4000まで復活している。

昨年に最も売れたのは1月の1週目だった。買い物指数は約5600。そう考えると、これも昨年のピークレベルに近づいている。通常ペースの流通状況になってきたと言っていいのかもしれない。

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この消毒液についても政府が転売を禁止する方針を固めている。同じく、異常な高額販売も徐々に影を潜めていくだろう。花王などは増量生産を継続している。他企業も同様だ。また、マスクほどではないが、これまで消毒液として馴染みのないメーカーも生産に取り組んでいる。資生堂は緊急で開発し手荒れにまで配慮した消毒液を生産している。さらには、酒類メーカーも消毒液に着手しだした。

マスク同様に、コロナ禍以前のように入手は容易ではないが、それも、もう少しの辛抱だろう。

マスクと消毒液は収束しそうだが

マスクや消毒液は2月からずっと品薄状態が続いてきた。マスクの場合は生産の大半を中国に委ねてきたという側面もあった。コストの面からすれば必然だったとはいえ、緊急時には中国からの輸入がままならず、日本に混乱をもたらした。

そこから3カ月、医療用のマスクはまだ足りないとはいえ、やっと一般用マスクや消毒液はメドが立ちつつある。オールジャパンで、3カ月あればなんとかなった、と考えるべきか、あるいは、サプライチェーンの見直しを図るきっかけとすべきか。

マスクと消毒液の不足は、供給体制の観点からも課題を投げかけている。

坂口 孝則 未来調達研究所

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さかぐち・たかのり / Takanori Sakaguchi

大阪大学経済学部卒。電機メーカーや自動車メーカーで調達・購買業務に従事。調達・購買業務コンサルタント、研修講師、講演家。製品原価・コスト分野の分析が専門。代表的な著作に「調達・購買の教科書」「調達力・購買力の基礎を身につける本」(日刊工業新聞社)、「営業と詐欺のあいだ」(幻冬舎)等がある。最新著は「買い負ける日本」(幻冬舎)。

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