渋沢栄一が「自分の未来に悩む30代」に贈る言葉

折れそうな心を支え続ける「大丈夫の試金石」

つまり、一生涯、安定した生活が保障されるかどうかなんてことは、今の時点では誰にもわかりません。しかも、新型コロナウイルスの世界的な蔓延で、大小問わず、どんな会社でも先行きは不透明になっています。

「無欲は怠慢の基である」

渋沢栄一だって、順風満帆で日本資本主義の父と呼ばれる地位を築いたわけではありません。大きな時代の変化によって、幾度となくキャリアチェンジを余儀なくされ、四度目の正直でようやく自分が本当にやりたいことにたどり着いたのです。

挫折① もともとは尊王攘夷派の志士だったのに、若気の至りのクーデターに失敗して徳川慶喜に仕えることになった。
挫折② 第二のキャリアがスタートしたと思ったら、大政奉還でそこから先のキャリアが望めなくなった。
挫折③ 明治政府で第三のキャリアがスタートして大蔵省のナンバー2まで上り詰めたものの、トップとぶつかって辞職することになった。

特別に能力が高いからとか、恵まれた環境にあったからとか、いろいろな意見はあると思いますが、渋沢栄一が度重なる挫折にもかかわらず、生涯をかけて500社もの会社を立ち上げ、日本の経済力を高めることに貢献できたのは、未来を信じることができたのもありますが、それとともに自分の夢をあきらめなかったからだと思うのです。

これは、『渋沢栄一訓言集』に出てくる、渋沢栄一の言葉です。

目的には、理想が伴わねばならない。その理想を実現するのが、人の務めである。

さらに『渋沢栄一訓言集』には以下の言葉もあります。

無欲は怠慢の基である。

夢はある意味、欲につながる面があります。「こうしたい」「ああしたい」という欲求があるからこそ、人間は一所懸命になって事に当たれるのです。

ただ、「無欲は怠慢の基である」と言ってはいますが、渋沢栄一が求めている欲は、世の中をもっと良いものにしたいという、より良い社会の実現に対する欲求です。渋沢栄一は、それを率先垂範しました。官尊民卑の傾向が強かった世の中で、民間の力をより強いものにするため、これからの日本の成長に必要な会社を次々に立ち上げていきました。

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