コロナショックはグローバル化に「とどめ」刺す

反グローバルの動きはすでに始まっていた

ひとくちにグローバリゼーションといっても定義や説明は難しい。「国境を超えた消費・投資を活発化することで高い経済成長を実現しようとする動き」とでもいうべきだろうか。「国境を超える」がポイントであるため、モノやカネの移動だけではなくヒトの移動が自由になることもグローバリゼーションの一部になる。

本来、グローバリゼーションの圧力から域内加盟国を「保護」する役割を持っていたEUがいつの間にかグローバリゼーションの象徴のように扱われ、忌み嫌われるようになったのは「ボーダーレスにヒト・モノ・カネ・サービスが行き来する」というコンセプトが、世界レベルでのグローバリゼーションをよく思わない人々から反感を買ったという背景もある。

世界貿易の伸びと世界GDPの伸びを比較してみる

以上のように考えた場合、グローバリゼーションの程度を推し量る最もシンプルな方法は貿易取引の動向を追うことだろう。関税・非関税障壁が下がり、技術進歩に応じたコスト低下で大量輸送も可能になった。だからこそ企業は母国以外にも多くの拠点を構えることになった。「貿易取引の活発化が経済成長を牽引する」のだとすれば、グローバリゼーションがうまく回っている局面では世界経済の伸び以上に貿易取引が伸びている可能性が高い。

実際そうだった。図のようにリーマンショック(2008年)以前は前年比変化率に関し、「世界貿易>世界GDP」の状況が続いてきた。しかし、リーマンショックで落ち込んだ後は反動から再び「世界貿易>世界GDP」という構図に戻ったものの、その後は「世界貿易<世界GDP」という年も多く見られるようになっている。

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