「勉強しなきゃ」と焦るわが子にかけるべき言葉 適切な言葉を探す以上に大切なこと
『不登校新聞』に勤めて約15年、しばしばこんな相談をいただきます。
「不登校をしていたわが子が中学や高校への進学を機に必死になって勉強しているが、そばで見ているかぎり、とてもつらそうに勉強していた。親としてどんな言葉をかけてあげたらよいのかわからない」、と。
不登校でつらそうにしているわが子に対し、親はどんな言葉をかけたらよいのか。
これは不登校の子どもを持つ親であれば誰しもがぶつかる壁です。この問いに対し、逆説的に考えてみたいと思います。
つまり、適切な言葉がけをすれば子どもは安心するのか、ということです。適切ではない言葉がけは、たしかにあります。
今回の例で言えば「だから勉強しなさいとあれほど言ったでしょ」とか「勉強しなかったのはあなたの責任でしょ」といった子どもの存在自体をおびやかす言葉です。
こういった類の言葉をかけた瞬間、大半の子どもは心のシャッターを降ろしてしまいます。
大事なことは言い回しでなく
では、適切な言葉がけはあるのか。
結論から言うと、ありません。正確に言えば、あるにはあるのですが、それはどんな表現かという言い回しの問題ではなく、タイミングが重要な問題なんです。