就職戦線いよいよスタート、偏差値ランク別の学生動向・意識・志向とは?
入試の難易度の違いによって、就業意識に違いがあることがわかった。全国の主要な大学を入学偏差値で3つに分け、難易度の高い順にA、B、Cとランク分けした場合、Aランクの大学に通う学生はB、Cランクに比べて「1社で長く勤め上げる志向」と「高年収志向」が強い一方で、「希望するキャリアの実現」や「学業と就職活動の両立」に不安を抱いている。また、A校学生はB、C校学生よりも意欲的に企業説明会やインターンシップへ参加している。
人事関連のアウトソーシングサービスを手掛けるレジェンダ・コーポレーションは2011年4月入社のために就職活動中の大学生14万7503人(有効回答数1万6419人)へアンケート調査を実施。その調査結果を大学のランクごとに集計し、学生の動向・意識・志向を分析した。
●A校学生は働くことそのものへの意識が高い
問:10年後の年収目標は?
問:希望する勤務地について
A校学生はB、C校学生よりも「勤務地へのこだわり」が低いが、「1社で長く勤め上げる志向」と「高年収志向」が高い。A校学生が長い目で自分のキャリアを考えていることがわかる。目先の勤務条件や待遇よりも働くことそのものへの意識が高いため、A校学生の採用は企業の継続的発展に寄与すると考えられる。
●自分の望むキャリアにこだわるA校学生
「就職活動の見通しについてどう思いますか?」という質問に対して、「特に心配していない」と回答した比率はA校学生では13%、Bが8%、Cが6.8%。A校学生が就職活動については悲観していないことがうかがえる。
だが、「就職活動において、一番不安に思うことは何ですか?」との質問に対して、「希望する会社に就職できるかどうか」と答えた比率が一番高かったのはA校学生。
A校学生はとりあえず内定はもらえるとの自信があるものの、「本当に自分の望むキャリアを実現できるか」ということには不安があるようだ。ここでも働くことそのものへの意識の高さが表れている。
さらにA校学生はB、Cよりも学業と就職の両立に不安を感じている。就職活動で忙しいとはいえ、学業も大切にする姿勢は、A校学生が冷静な態度で就活に臨んでいることを示す。