テレワークで憂き目に遭うのはどんな社員か コロナ後は「優秀なテレワーカー」の時代に

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──チャットなど、デジタルツールで業務を進行する企業も多いようですが、それも苦労しているようです。

テキストベースのやり取りは、どうしても受け手によって捉え方が変わってくる。内容が3行以上になったり、相手とのやり取りが5往復以上に進展したりする場合には、すぐさまウェブ会議や電話での音声通話に切り替えたほうがいい。文字では、言いたいことの半分も伝わらないからだ。

デジタルツールは、リアルのコミュニケーションと比べて解像度が段違いに低い。なんかずれているなと感じたら、少しでも現実のやりとりに近い環境でコミュニケーションするべきだ。

鬱を発症する「魔の2週間」

──テレワークがつらいという社員も増えてきています。

テレワークは便利な反面、思わぬ負荷をメンタルにかけることもある。「魔の2週間」といって、経験上、導入してから10日目くらいで「テレワーク鬱」を発症する人が出てくる。生産性が著しく落ちたり、脱落することがないように、コミュニケーションの質にはなるべく気を配るべきだ。

年齢や肩書を武器に、「自分のほうが上だ」とマウントを取りながら仕事を押し進めていくタイプの人は、直接顔が見えないオンライン業務で成果を出すのは難しい。また、言われた仕事を決められた時間内にこなすだけで、給料をもらおうと思っている「指示待ちタイプ」も向いていない。

逆に自分で主体的に動いてスケジュール管理ができる人、オンライン上でのチームワーク力に優れている人、問題解決力のある人は適性があるといえるだろう。

──そういう意味では、テレワークによって社員の評価基準も変化しそうですね。

今後、憂き目を見るのは40代以上の「総合職おじさん」ではないか。テレワークの普及は、「わざわざ会社に集まってやらなくても済む業務」をあぶり出した。テレワークの進化は、コロナが収まった後も不可逆的で元のスタイルには戻らない。

むしろ、業務の見直しや効率化によって、社外のテレワーカーにアウトソーシングする動きが加速するだろう。そうなると、ハンコを押すだけの「総合職おじさん」は絶滅の危機に瀕する。

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