トヨタのプラグインハイブリッド車の勝算、次世代車の覇権争いは激化必至
対するトヨタも、たぎるライバル心を隠さない。「あれだけ長く走るには電池を相当積む必要があり、コストはうちとほとんど差がないはず」「電池が切れた後は小さなエンジンでモーターを回して走るため、パワーがガクッと落ちる。高速への進入や追い越しには厳しいのではないか」といった調子だ。
トヨタは過去にGMと同様の方式でマイクロバスを試作し、実用化が難しいと判断。その後発売した初代プリウスから12年、自社方式のHVでは累計150万台の販売台数を誇っている。米国では第三者が開発した充電式プリウスへの「改造キット」が出回るなど、市場がPHEVを待望しているという強烈な自負もある。
激化する開発競争
ただ、競争相手はほかにもいる。先日、スズキに出資した独フォルクスワーゲン(VW)ではトヨタと同様、2モーター方式のPHEV「ゴルフ・ツインドライブ」が走行試験段階にある。独ダイムラーは1リットル3気筒エンジンの「ブルー・ゼロ」、独BMWも加速性能が高い「ビジョン」を開発中だ。米国勢のフォードやクライスラーも数年内の参入を予定する。いずれも電池による走行距離はバラバラで、外形も小型車からスポーツカータイプまで百花繚乱である。
「スイフト」ベースのPHEVを開発していたスズキがVWと「10年1月早々にも議論を始める」(鈴木修スズキ会長兼社長)と明言するなど、今後も活発な新規参入が予想される。まさにだんご状態、横一線。トヨタのリードはそう大きくない。
(撮影:尾形文繁)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら