コロナ禍で終わる「日本人の異常な安売り信仰」

「良いものを安く」では危機への備えは不可能

日本の経営者はお金目当てで経営しているわけではないという意見も耳にします。しかしながら、日本の経営者は、経済的にきわめて合理的に行動していることがデータで確認できます。

税金を払っていない企業が増え続けている

たとえば、景気変動と関係なく、日本では税金を納めていない企業の比率はほぼ一本調子で右肩上がりしてきました。これは非常に不自然な現象ですし、資本金を積み増せていないことを意味しますので、産業構造が弱っている証拠だと言えます。

1974年、田中角栄政権時に給与所得控除枠が大幅に引き上げられ、個人事業主の多くがこの税控除を使い、いわゆる「法人成り」したことがその理由と考えられます。家族全員に給料を払ったことにして会社を赤字にし、各々の所得控除を使う。日本ではよく知られた「合法的な節税」対策が横行したのです。

これも日本で小規模事業者が大幅に増加した理由の1つです。会社設立の目的がそもそも節税で、生産性など眼中にないので、どの事業者も生産性を見ると目も当てられません。

日本政府の財政は、有事のたびに悪化しています。今回のコロナ危機は、人口減少・高齢化時代に求められる生産性の目標を設け、全企業にそれを理解させる絶好のチャンスです。最低賃金の引き上げも、その手段として組み込むべきです。

今回、高品質・低価格戦略を実践している、生産性の低い企業を支援するのであれば、事態の終息後に、生産性の向上を約束させるべきでしょう。少なくとも、支援を申請する企業には「自社の生産性」を計測してもらい、申請書に記載させるべきです。計っていないものは上がるはずがないので、とりあえず、計らせたほうがいいです。

「中小企業を無条件に助けるべきだ」という無責任な政策をやめて、より賢い政策が不可欠です。有事のときならば、企業経営者も政府の経済政策を真剣に聞き入れざるをえないからです。

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