「VR」使った住まい選びがコロナ禍で注目の事情

住宅・不動産業界がVRに熱い視線を送る背景

住宅業界にVRコンテンツをおおよそ600万件提供しているナーブに、住宅業界でどういった活用事例が多いのかについて話を聞いた。

従来、最も多い活用スタイルは、顧客が店舗やモデルルームを訪れて、そこでVRゴーグルを装着して具体的な物件をVRで見るというもの。不動産会社の担当者は、別の端末で顧客が何を見ているか確認できるので、部屋などの情報をその場で説明することができる。その後は顧客が自由にVRで、気になる箇所をじっくり見るというスタイルが多いようだ。

ところが、新型コロナウイルスの影響で、住宅展示場や分譲住宅のモデルルーム自体がクローズしていたり、営業店舗に出向いて対面で説明を受けることが難しくなったりしている。そこで、今注目されるのが、自宅にいながらVRを活用して物件の内見をするというもの。

「おうちでVR内見」とは?

ナーブでは、顧客の自宅にVRキットを送付し、顧客は自宅でVRによるオンラインの内見を行い、不動産会社の担当者は店舗で同じ画像を見ながら、その場で電話などを使って物件の説明をするという、新たな遠隔接客スタイル(「おうちでVR内見」)を提案している。新型コロナウイルス対策として、同社が提案する「おうちでVR内見」に参画する不動産会社に対して、6月まで基本料金を無償にするサービスを始めている。

一方、三菱地所レジデンスでも3月23日に、都心エリアの新築分譲マンションに限定して、自宅など販売センター以外の場所でVRモデルルームを使った「オンライン接客」を導入すると発表している。

では、VRを使って住宅のどこまでを見学できるのだろう?

基本となるのは、住宅の特定の場所を360°見渡せる3D映像で見学するもの。立っていると想定される場所で、カスタマーが自らVRゴーグルなどを上下前後左右に動かして映像を確認できる。間取りの中でリビングと寝室など複数の場所を設定すれば、それぞれの場所で360°見渡せるので、全体の間取り空間の様子がわかるようになる。

ナーブに、このほかにVRで見学できるものはあるのかを聞いた。

まず、マンションの共用部なども360°映像を撮影したりCGで作成すれば、コンテンツに入れることができる。バルコニー側に場所を設定すると、バルコニーの外の眺望をVRで見ることができる。これを応用すれば、ドローンを使って撮影することで、まだ建築中の新築分譲マンションの眺望などを見せることも可能だ。

さらに、時間を変えて撮影すれば、昼と夜の違いなどもわかる。通常の現地見学で長時間滞在したり何度も訪れたりするのは難しいが、VRであれば異なる時間帯の様子を知る手段にもなる。

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