日本の「水輸出ビジネス」が苦戦するワケ インドで展開する水プロジェクト<第3回>

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日本は濾過膜技術などの優れた水浄化技術を持っているが、多くは民間企業が抱えるものだ。ハイレベルの漏水率を誇る水道メンテナンス技術もあるが、こちらは長年、企業ではなく自治体が担っていた分野。水事業における得意分野が各企業や自治体でそれぞれ異なっている。

つまり、欧州勢を中心とする“水メジャー”のような、技術設計から運営管理に至るすべてのサービスを、包括的に提供できる存在が日本にはないのである。

取水から浄水、配給水網を作り、売って料金を徴収する。一連の水事業を1カ所でパッケージ受注する水メジャーに対し、今のところ日本の各事業体は各パートを請け負う「切り売りビジネス」の域を出ない。

アグラのプロジェクトも基本的には配水部分の事業だった。だが、給水網劣化など、想定外の問題で計画は足を引っ張られている。もし水事業全体を管理するプロジェクトならば、調整や回避できたトラブルもあるかもしれない。民間企業のビジネスにおいても、包括的パッケージ受注は生む利益が大きく、“うまみ”は増すはずだ。

「だけど、初めからリスクを抱える覚悟がないのです。誰も責任を持とうとしない。そんな日本の商習慣で生きて来た人たちが、ちゃんとした水の包括事業は作れません。事業熟度の問題はあるけれど、今のままなら水インフラ輸出は無理です」

前出の遠藤氏はそう話し、ひとつの提言をした。

「役に立つ技術は日本はあります。それをどう生かすかという問題。いい人材は数をこなして鍛えるしかない。それと、海外のその土地の人をどう育てるかです」

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