ジム・ロジャーズ「アマゾン株は必ず暴落する」

本格的な弱気相場がやって来たらどうなるか

また、先物価格が一時マイナス価格になった原油に関して、ロジャーズ氏は次のように述べます。「将来から現在を振り返ったときに、『2015年から2021年の間が複雑な底値だった』と認識するようになるだろう。そして、そこから原油価格はまた上昇する。過去に底値をつけた資産は、複雑な値動きを繰り返し、数年ほど安値近辺で横ばいに推移するものだが、今がそのときだ」。今回、ロジャーズ氏はどう動いたでしょうか。少なくともマイナスになる前には「私は原油をショートしているが、まだ買い戻していない」と語っていました。次に会ったときには、今回の話をぜひ聞いてみたいと思います。

一方、今回の危機では再び「キャッシュイズキング」などと言われました。もちろん有事はキャッシュに勝るものはないのですが、「持つべき通貨に関しては、間違えてしまうととんでもないことになる」と言います。リーマンショックの際にアイスランドのクローナで預金をしていた投資家は通貨暴落で資産を大きく減らす羽目になりました。ロジャーズ氏は「持つべき通貨は、絶対に円でもスイスフランでもない。米ドルが最も魅力的な通貨と考えている」と言います。

「嫌われている」中国に魅力を感じる

「『今回の危機で世界の主要国がみなダメージを受ける』と述べた。それは中国も例外ではない。だが、その中からいち早く立ち上がるのはやはり中国だろう。私がアジアのシンガポールに移住したのは、中国が次の経済覇権を握ると信じているからだ。中国がアメリカに代わる覇権国になることを疑っていない。ただ、その過程ではさまざまな問題に直面するだろう」。

ロジャーズ氏は世界中から好かれている国よりも、むしろ嫌われている国や人の方に魅力を感じると言います。台頭する中国は世界中から警戒され嫌われていますが、逆に言えば、それだけの力量があるということでしょう。

では、現在の覇権国のアメリカについてはどう考えているでしょうか。ロジャーズ氏はアメリカのドルは結局は買われやすいという点でドルを保有しているようですが、前出のように世界中の投資家から買われやすい同国の株にはあまり関心がなく、「GAFA」のような対象については割高だと辛口です。しかも本格的な下落相場が到来すれば、そうした成長株は下落も大きくなると言います。

「本格的なベア相場に突入すれば、アマゾンやアップル株は50%から80%は下がるとみている。けっして悪口を言っているわけではない。これが相場の仕組みなのだ」。やはり、ロジャーズ氏は成長性などよりも、割安かどうかを重要な視点とするようです。

なお、個別株に投資をする場合は、不断の勉強と経験が必要なことは言うまでもありません。経済全体(マクロ経済)の方向性に常に注意を向けながら、個別企業を丹念に研究する必要があります。「壊滅的なダメージを受けている航空会社に魅力を感じる」と言っても、どの会社の株を買ってもいいというわけではありません。失敗をすると紙屑となる場合もあります。

ロジャーズ氏は常に「会社のバランスシート(財務諸表)をうのみにしてはいけない」と言います。また、投資のチャンスにお金がまわるように、常に倹約を続け、元手を作ることが非常に重要だと言います。私は、当面の生活費(最低でも6カ月前後)を現金、預金などの余裕資金で準備をしておき、長期投資をする場合は当面の間使わないお金で投資をするよう、みなさんにアドバイスしています。

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