コロナ対策と休業補償「6カ国徹底比較」した 韓国やイタリア在住の日本人が本音を語る

✎ 1〜 ✎ 257 ✎ 258 ✎ 259 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

企業で働くみずほさんは、レベル3の段階で自宅勤務となった。フリーランスのパートナーは失業状態のためオンラインで給付金を申請、1週間ほどで3カ月分がまとめて振り込まれた。

アーダーン首相は毎日午後1時から会見を開いているほか、たびたびFacebookでライブ配信を行い、市民や子どもたちからの質問に直接答えている。また、そこで出された要望も政策に反映させている。

ヘイトではなく優しさで困難を乗り越える

みずほさんにとってアーダーン首相は「すごく身近で近い存在」だという。「彼女は横柄なところがまったくなく、会見ではクリアで簡単な英語を使い、丁寧に説明してくれます。1つの世帯をシャボン玉の泡のような『バブル』と表現し、今はそのバブルから出ないようにと呼びかけています。もし、どうしていいか分からなければ、自分が感染者だと思って行動してほしいと」。

自身も2歳の娘を持つアーダーン首相は、ロックダウン中に国内で広がった「ベアハント」にも参加。これは子どもたちが散歩の際に楽しめるよう、テディベアを窓際に飾る運動だ。みずほさんの家の近くでも、植え込みや木の上にまでぬいぐるみが隠され、子どもが喜んで探しているという。「首相はつねに『Be kind』、ヘイトではななく優しさを持ちましょうと訴えています」。

政府は4月20日、主要都市でランダムなPCR検査を実施した結果、市中感染者がゼロだったことを発表。新たな感染者数が連日1ケタ台をキープしていることから、4月28日より警戒レベルを3に引き下げた。飲食店のテイクアウトなど一部の事業を再開、学校も規模を縮小して始まっている。

「ニュージーランドは人口500万人の小さな島国なので、色々な対策が打ちやすかったと思います。政府はクリーンに情報開示していて信頼できますね。何かあったらすぐに警戒レベルを引き上げると言っているので、今後も気をつけながら生活を続けるつもりです」とみずほさんは言う。

アーダーン首相は「私たちは経済活動を再開するが、人々の社交を再開するわけではない」と話し、引き続き「バブル」の範囲を出ないよう呼びかけている。

【韓国】過去の失敗を教訓に検査を拡大

徹底した感染者の行動把握と検査拡大で、ロックダウンを行うことなく感染を抑制した韓国。人口 5122万人(2019年時点)、感染者は1万765人、死者は247人で、これまでに実施されたPCR検査数は61万9881件だ。

次ページ韓国は外国人だと若干不安
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事