コロナ対策と休業補償「6カ国徹底比較」した 韓国やイタリア在住の日本人が本音を語る

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カナダ政府のコロナ関連対策としてこのほか、

・学生ローンの6カ月返済猶予
・緊急学生給付金の支給
・ホームレスケアプログラムの倍増
・DV・性暴力被害者シェルターへの支援
・子どもが相談できる窓口開設
・先住民コミュニティへの支援

などを発表している。

「トルドー首相は、毎日2回の会見を行っています。つねに新しい対策が発表されるので、政府がきちんと動いてくれている安心感がありますね。会見では『We are in this together(みんなで一緒に乗り越えよう)』と呼びかけ、人々もそれに応えて要請に従っています。この『We』には、もちろん外国人を含むすべての市民が入っています」。

カナダでは4月20日以降、コロナウイルスによる死者の増加率が10%を下回っている。国内最大の人口を持つオンタリオ州は4月27日、段階的に規制を緩和していくことを発表。緩和レベルを3つに分け、各レベルごとに2~4週間の観察期間をおき、最終的にすべての職場の再開を目指すとしている。

感染者10人に満たない時点で入国者の隔離を開始

【ニュージーランド】先手を打った対応で感染拡大を阻止

コロナウイルスにいち早く対応し、感染拡大を防いだのがニュージーランドだ。人口495万人(2019年時点)のうち、感染者は1479人、死者数は19人。死者の半数は、1カ所の高齢者施設で起きた集団感染によるものとなっている。これまでに13万9898件のPCR検査を実施した。

ニュージーランドでは感染者が10人に満たなかった3月15日から、入国者の2週間隔離を開始。オークランドで2歳の子どもとパートナーと暮らすみずほさん(39歳)は、「いよいよ本格的な対応が始まった」と感じたという。アーダーン首相は3月21日の会見で4つの警戒レベルを発表し、それぞれの詳細を説明。「現在はレベル2の段階である」とした。

ニュージーランド政府特設サイトに掲載された日本語版の説明

観光立国でもあるニュージーランドでは、3月19日からの入国規制に先駆け、GDP4%に相当する121億NZドル(約8000億円)規模の経済支援策を打ち出した。

売り上げが前年同月比30%減になる企業に3カ月分の給与補助(フリーランスも対象)や、航空業界への支援、社会的弱者への給付金の増額、学生が学業を続けるための費用支援などが、国籍やビザの種類に関係なく受けられる。

3月23日、警戒レベルは3に引き上げられ、25日には最高のレベル4となった。労働ビザや観光ビザなど一時滞在のビザは、ロックダウン中に期限切れにならないよう6カ月自動延長。政府が開設したコロナウイルス特設サイトは、マオリ語・手話動画を含む28言語に対応している。

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