信長の戦術にプログラミングの本質が見える訳 社会のあらゆる仕組みを説明することが可能

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バッファリングが用いられている例として、コンピュータの画面表示があります。コンピュータの画面はたえず書き換えられていて、通常は一度画面を全て消去してから必要な図形を描画する、という手順をとっています。毎回ゼロから書き換えているので、いくら高速で書いても、書いている途中の画像がチラついて見えてしまうことがかつての欠点でした。

そこで現在では、コンピュータの内部に画面を表現するためのバッファ(領域)を2つ用意して、片方のバッファが完成したらそれを表示、その間にもう片方のバッファを書き換え、今度はそちらが完成したら画面を入れ替える、という処理を行っています。そうすることで、チラツキを抑え、間断なく画面を表示できているのです。

信長は鉄砲隊が発射準備をするために発砲できなくなる時間を無くし、絶え間なく発砲できる態勢を維持するトリプルバッファリング戦術を採用したというわけです。

交代での休憩もプログラミングの1種

身近な例では警備員の交代制なども、一種のダブルバッファリングと呼べます。

どれだけ優秀な警備員でも、ずっと集中して警備していれば疲れてしまいます。疲れて、本来の能力を発揮できなくては警備の意味がなくなってしまいますから、時間がくれば必ず交代し、そして交代している間はしっかりと休息をとり、次の警備のための鋭気を養います。これもバッファリングの効果です。

2011年の東日本大震災のとき、現地に派遣された自衛隊の隊員は、どれだけ忙しくても必ず交代で休息をとっていたそうです。そうしなければ、咄嗟(とっさ)のときに十分な能力を発揮できず、かえって全体に迷惑をかけてしまう、という考えが徹底されているのかもしれません。

読者の中には会社で毎日残業続き、もしくは徹夜続きで疲弊している方もいらっしゃると思いますが、それでは体力の消耗が激しく、十分な能力を発揮できません。休むときは休む、働くときは働く、というメリハリが大事なことは、バッファリングの考え方がこれだけ世の中に浸透していることからも分かるはずです。

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