コロナ不況でも失職しないエンジニア3大鉄則 景気後退で"売り手市場"に変化は起きるか
――なぜですか?
エンジニアはほかの職種よりも圧倒的に売り手市場です。コロナショック前と比較して、需要過多の状況は今も変わっていません。
先日、私のSNSでコロナショック後も求人を出しているスタートアップの情報を募ったところ、4月2日時点でも数多くの企業が採用を強化していることがわかりました。
エンジニア採用を止めたら事業の継続が難しくなる企業も多いと思いますし、自社開発か受託開発かで若干の違いはありますが、エンジニア採用の求人がなくなるようなことは基本的には考えられません。
――自社開発と受託開発では、エンジニアの採用規模は今後どのように変わってくるのでしょうか?
自社開発の場合、自社サービスが堅調なら、採用規模は今までと変わりません。
一方で受託開発の場合は、景気後退の影響で今後BtoBの開発案件が減ることが予想されます。最近まで大手SIerではエンジニアの数を優先して確保する傾向がありましたが、今後は抑制傾向になるでしょう。
【疑問2】業績が悪そうなら、すぐ転職したほうがいい?
――最近、大量リストラのニュースを目にすることがあります。自社の経営の調子が悪そうな場合、すぐに転職したほうがいいですか?
転職に関しては、基本的にあまり景気に惑わされないほうがいいと思います。
自分が「どうなりたいか」イメージをしっかりと持ち、そこから逆算して、今何をすべきかを考えることが大切。転職を決めるときの考え方は、どんな状況においても変わりません。
例えば、リーマンショックのときもそうだったように、一時的に経営不振に陥っても持ち直す企業はいくらでもあります。何となくの危機感から焦って転職してしまうと会社選びも雑になるので、状況が変わったときに後悔する人も多い印象です。
先ほどお話したように、エンジニアの需要は引き続き高いままですし、採用強化をしている企業もたくさんありますから、落ち着いて自分のキャリアを選択してほしいと思います。
とはいえ、会社が倒産してから転職活動を始める場合、生活に困ることもあるでしょう。「会社が潰れそう」というのが感覚的なものではなく、確かな情報なのであれば、転職活動を始めておくのはありだと思います。
――「確かな情報」かどうかは、どう判断すれば?
会社の状況を知るには、IR情報などで財務内容をチェックし、営業利益がどれくらいあるのか確認するのが有効です。
営業利益とは、売り上げから経費、人件費などを差し引いた金額で、その会社の生産性を表すもの。売り上げに対して経費や人件費のほうが上回る状態が続いていないか、競合他社と比較してみると、今いる会社が健全な経営ができているか確かめられると思います。
ただ、非上場企業の場合は財務内容が公開されていない場合もありますので、経理部門の人に残キャッシュや調達計画を確認するなどして、冷静に判断するようにしてください。