マレーシア「日本を追い抜いた」感染抑制の成果 国境封鎖に加え地域ごとの厳格な管理を徹底

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マレーシアではどのように感染拡大の封じ込めを行なってきたのか。

現在、マレーシア保健省は、感染の危険性に応じて、国内の地域を4つに分けている。具体的にはレッドゾーン(41以上の陽性反応症例が出た地域)、オレンジゾーン(21から40の陽性反応)、イエローゾーン(1から20の陽性反応)、グリーンゾーン(陽性反応の症例なし)だ。

生活必需品や食料も「配給制」に

地域内で患者数が41人以上になるとレッドゾーンとみなされ、国が集中的に消毒作業を行い、警察と軍隊により監視が強化される。レッドゾーン内で、急な感染拡大が生じた際には、現在発布されている活動制限令の強化版が適用され(強化された活動制限令EMCO)、原則的にその地域への出入りが完全に規制されて事実上の完全封鎖。住民の外出は一切許可されない。生活必需品や食料は「配給制」となり、住宅から”ソーシャル・ディスタンス(社会的な距離)”を取って置かれたものを受け取る、という徹底した厳戒態勢が敷かれる。食料の配給は防護服に身を包んだ職員から受け取る徹底ぶりだ。

マレーシアの大手ニュースサイト・マレーメール(Malay Mail)では、政府の発表に応じてレッドゾーン、オレンジゾーンなどに区分けされた地区ごとの感染者数を詳細に報じている (写真:Malay Mailスクリーンショットより)

マレーシアで暮らす多くの日本人にとっても決して他人事ではない。多くの駐在員やロングステイの日本人が暮らす首都クアラルンプールやジョホールバルでも、レッドゾーンに指定される地区は数多く点在する。

当初は地域ごとにレッドゾーンが指定されていたが、クアラルンプール市内では、日本の百貨店そごうや観光シンボルでもあるKLタワーなどが立ち並ぶエリアにあるコンドミニアム(マンション)で17人の感染者が発生したことから、このコンドミニアム全体が危険ゾーンと見なされ、強化された活動制限令(EMCO)が敷かれた。これにより、このコンドミニアムの住民は一切の外出が許可されなくなった。

帰国のために空港に行く際にも(州をまたぐ移動となる場合)警察の許可証を基本的に得ることが推奨されており、もはや身近に迫った、我が身に明日にでも降りかかるかもしれない深刻な事態として受け止められている。

筆者の住むクアラルンプール中心部にあるコンドミニアムでも、まだ感染が拡大する前の1カ月以上前の段階で、「コンドミニアム内で中国本土から帰国して新型コロナウイルスの検査を受けた住民がいる」との通知が張り出されていた。その住民の検査結果は陰性だったにもかかわらず、そのような情報がこまめに共有される厳格ぶりは徹底しており、住民の意識も徐々にこの1カ月で高まっている。

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