乗客から感染?コロナで英バス運転手15人死亡 感染ルート不明だが「車内の対策不十分」の声

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ロンドンの路線バス車内。運転手に乗客を近づけないため、運転席のある車内前方を座席1列とともにブロックしている(筆者撮影)

厳しい外出制限が指示されてから約3週間が過ぎたイギリス。新型コロナウイルスによる死者が依然として増え続ける中、社会機能の維持に必要不可欠な公共交通機関で働く人々が亡くなるという事態が発生している。

日本でも路線バスの運転手や鉄道の駅員が感染した例が確認されているが、より外出制限が厳しいはずの海外でこのようなことが起きているのは、決して見過ごせない問題だろう。

欧州各国では、公共交通セクターで働く人々をウイルスから守るために、どんな施策をとっているのだろうか。主要国の事情を探ってみた。

地下鉄は5割、バスは9割運行

欧州は4月10日から、4日間の大型連休「イースターホリデー」だった。例年ならホテルも飛行機もどこも満員という期間だが、今年は厳しい外出制限により、飛行機は9割以上が運航を取りやめ、長距離列車も軒並み運休となった。

桜が満開のロンドン市内を走る「赤い2階建てバス」=4月11日(筆者撮影)

そんな中、ロンドンの公共交通機関は依然として高い運行率を誇っている。公共交通の運行維持は医療従事者や建築労働者など、仕事場への出勤が必須な人々の足を確保するために欠かせない存在となっている。サディク・カーン市長は、街がいわゆる「ロックダウン」に近い状況にありながらも「地下鉄は55%以上、バスはほぼ90%が運行している」と胸を張る。

イギリスに「事実上の外出禁止令」が出されたのは3月23日だった。日本のように地域を区切ることはなく、ロンドンを含む全土に住む国民に一斉に指示された。「STAY HOME」(自宅にとどまれ!)の掛け声のもと、多くの市民が在宅勤務に切り替え、公共交通機関の利用も一気に減った。

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