日本にある特定感染症指定医療機関は4医療機関、第一種感染症指定医療機関は55医療機関、第二種感染症指定医療機関のうち感染症病床を有する指定医療機関は351医療機関であるから、合計でも410医療機関。
仮に1医療機関あたり1000万円の支援をおこなったとしても、41億円の負担にとどまる。2000万円ずつ支援しても82億円だ。アベノマスクの466億円に比べれば、はるかに安く、かつ、効果的な支援である。政府は、早急に予算措置を講じてほしい。
医療用品生産への投資と買い取り制度の創設
医療の現場では、サージカルマスク、防護服、フェースシールド等が大幅に不足している。厚生労働省の推計によれば、当面必要な量は、サージカルマスクが2億7000万枚、防護服が180万枚、フェースシールドが900万枚とのことであるが、厚生労働省が調達できるのは、サージカルマスクで4月中に70万枚しかなく、防護服は月間の供給量が16万枚しかないという状況である。
圧倒的な需要超過状態にあるのだから、異業種からの参入があってもよさそうであるが、企業の動きは鈍い。サージカルマスク、特に高性能医療用マスクN95では1年ほどかかる厚生労働省国家検定規格認証の壁がある。防護服では安い輸入品と比較した場合、コストの壁が立ちはだかる。
さらに、重症者の治療に必要となる人工呼吸器も不足している。アメリカでは、GM、フォード、クライスラーの自動車メーカーが、医療機器メーカーと連携して生産を開始する。アメリカ政府が民間企業に協力を要請できる「国防生産法」を発動したためだ。
しかし、日本では、通常4カ月程度かかる政府の承認が壁となり、異業種からの参入は進んでいない。
このように必要な医療用資材、機材の国内生産の拡大が進まない理由のもう一つは、新型コロナの感染拡大が短期間で終わった場合に、大量の在庫を抱え、また、投資が回収できなくなるリスクがある。
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