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食材宅配サービスが繋ぐ「食べて応援」の輪 自粛要請が始まりアクセス急増の「ポケマル」

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消費者にとって、生産者の顔が見えることは安心につながる。そして生産者自身にも「消費者の顔が見たい」という思いは強いようだ。

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毎年実施している、登録生産者を対象としたアンケートにその傾向が表れている。

2020年の結果では、ポケットマルシェへの申し込み理由や魅力について、「消費者と直接コミュニケーションできること」という回答が前年に引き続きトップになった。

さまざまな工夫を凝らした「無人直売所」

そしてポケマルでは、コロナへの対抗企画の第3弾として、今回初めてリアルの無人直売所を東京・日本橋にあるコミュニティースペース「ハマハウス」で展開した。

「まずはソーシャルディスタンスの実践ということが大きな目的としてあります。無人にして食材購入時の接触を避けながらも、生産者と消費者のつながりを創出します。また、スーパーの買い占めによる食材不足、販路縮小によるフードロス問題の双方を解決する場となればと思っています」

無人販売所なので直接、生産者と顔を合わせることはできないが、商品1つひとつにQRコードを貼り、ポケットマルシェの生産者ページにアクセスできるよう工夫している。

商品バーコードよりポケマルの生産者ページにアクセスできるよう工夫(筆者撮影)

その他、飲食店の空きスペースの活用による飲食店支援や、“ポストコロナ”まで見据えた生産者と消費者の接点づくりなども狙っていきたいという。

初日の4月10日に無人販売所を訪ねたところ、当日はハマハウス1階カフェ入り口前のスペースに展開。野菜や果物が並ぶほか、「花摘みイベント」としてバラ、カーネーション、ガーベラなどなど、どれでも1本100円の花を自由に選べるコーナーも設営した。

販売所近くに待機していた担当者に聞くと、ハマハウスを普段から利用している近隣住民が訪れているとのことで、花がよく出ているようだった。後ほど広報担当に聞いても、

「花の売れ行きは3日を通して好調でした。野菜、加工品は最終日には完売。地元のママ友同士で口コミが広がってお越しいただいたり、3日間の中でリピート来店してくださった方もいらっしゃったようです」とのことで、無人販売所を通じての相互支援の試みは成功したと言えそうだ。今回は実現できなかったが、今後、キャッシュレス決済やセキュリティー対策としてのYouTubeライブ配信も準備していきたいという。

無人直売所は直近では4月下旬、渋谷区および中央区内の飲食店2カ所でのスタートを目指している。

なお、ポケマルでは全国に2000の生産者を抱えており、在庫がなくなってしまう心配はないだろうとのことだ。

また、同サービスはあくまで生産者と消費者を結ぶプラットフォームであり、在庫を持つ必要もなく、パッキング、発送なども生産者それぞれが行う。そのため、アクセスが集中して新規登録が不可能になるという事態は、現時点では想定していない。

普段の暮らしの中では食材の生産者と消費者が、互いに相手を意識することは少ない。大規模な流通機構が目隠しになっているからだ。しかし食事は命をつなぐ大切な営みである。自分の口にしている食材がどこから来ているか、思いをやることの大切さを、このような機会に改めて確認したい。

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