プレスバターサンドが「人気菓子」となったワケ

すべてが「逆張り」のブランドコンセプト

行列ができるプレスバターサンド東京駅店。手土産としてだけでなく、バレンタインやホワイトデーなどのプレゼント用途でも需要が高い(筆者撮影)

焼きたてチーズタルト専門店「BAKE CHEESE TART」などを展開するBAKEが2017年4月に初めて立ち上げたギフト菓子ブランド「PRESS BUTTER SAND」が、スタート2年半を経て大きな変化を遂げている。

東京近郊駅ビル、空港のほか、名古屋、神戸、京都、博多といった主要都市に13店舗を展開。年間で2500万個を売り上げるヒットブランドに成長していたのだ。

そもそもプレスバターサンドとは?

ブランド立ち上げ当初はプレーンの「バターサンド」のみだったが、現在は「ご当地の味」を加え、京都の<宇治抹茶>、博多の<あまおう苺>、東京の<黒(チョコレート)>の4つのテイストをラインナップしている。

それぞれ原則として現地でしか購入できないが、バレンタインに向け、1月の15日より2月14日までの期間限定で東京限定のチョコレートフレーバー(黒)を全国にて販売中だ。

左から「バターサンド」1000円、「バターサンド<あまおう苺>」1242円、「バターサンド<宇治抹茶>」1150円、「バターサンド<黒>」1350円。価格はいずれも各5個入の価格(筆者撮影)

そもそもプレスバターサンドとは、プレス機による挟み焼き製法によりクリームをサンドしたクッキーだ。これにより、独特のサクサクとした歯ごたえ、バタークリームとバターキャラメルの2層構造からなる、奥行きのある味わいを実現する。

ガラス張りでエンタメ要素の大きい工房一体型の店舗、男性を意識したシンプルかつ無骨なブランドデザインなど、ギフト菓子としては破格なブランドコンセプトも、プレスバターサンドの大きな特徴である。賞味期限10日程度という日数制限も、土産としては本来不利な要素であろう。

これらはオープン当時の土産菓子の常識からすると、すべていわば“逆張り”の手法。しかし結果、付加価値となり、同ブランドの存在感を高めることとなった。

ガラス張りの工房一体型店舗は現在、東京駅構内と博多駅の2カ所だが、こうした店舗の存在は駅の土産コーナーの概念を変えてしまったかにも思える。

例えば、東京駅の西口を入るとすぐに目に入ってくるのが同ブランドの店舗。日常的な雑踏の中に据えられた、中で白衣がうごめく金魚鉢のような物体が違和感を醸し出し、異空間に迷い込んだような錯覚を与える。店舗の周囲の“場”そのものを非日常的な空間に変えていると言えようか。

次ページ工房一体型店舗では、店舗で焼き上げを行う
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