【産業天気図・建設機械】足元は中国などアジア頼み、10年度は先進国一部回復に期待
09年10月~10年3月 | 10年4月~9月 |
建設機械業界は09年10月~10年3月が「雨」、10年4月~9月は「曇り」に一段改善する見通しだ。足元は中国などアジア需要に頼るが、10年度には先進国需要の一部回復と経営効率改善策の奏功で業績改善が期待できるだろう。
日本建設機械工業会は09年8月、需要予測を3割以上引き下げた。北米・欧州市場の回復の遅れが要因。特に業界が期待した米国の年内反転シナリオは、完全にアテが外れた格好だ。同工業会によると10月の建機出荷総額は内需が37.2%減と19カ月連続の減少、外需が56.2%減で12カ月連続の減少。全体では対前年同期比半減と市場収縮に歯止めがかからない。とはいえ足元の建機需要は減少が続いているわけではなく、09年1~3月期をボトムに、底ばいが続いているというのがより現実に近い認識だろう。
ところが、これだけの需要減退にあって建機業界が意外にも明るいのは、中国を中心としたアジア市場が活況だからだ。特に中国向けは10~11月、業界各社とも前年同期比倍増の勢いだ。たとえば日立建機<6305>は、中国における09年度の油圧ショベルの総需要予想を10月に6・2万台(従来予想比8.7%増)へ引き上げた。
もともと中国の建機ビジネスは春節(旧正月、来年は2月14日)明けに集中するため、年前半の1~6月に年商のほとんどを稼ぎ出す。それが今年は後半の7~12月も高水準のまま、春節商戦へと突入しそうなのだ。またインドネシアやマレーシアなどアジア市場でも、鉱山や森林伐採など資源関連需要が回復基調だ。