【産業天気図・建設機械】足元は中国などアジア頼み、10年度は先進国一部回復に期待

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 逆にいえば、中国・アジアの成長がなかったら、建機業界は壊滅していた。09年9月末時点で、業界最大手のコマツ<6301>の地域別売上高シェアは、中国が18%、アジア・オセアニアが21%。つまり広義のアジアが4割を占めている。一方で日本は19%、北米は12%、欧州は7%にすぎない。日立建機なども同様で、アジアが建機業界を支えている格好だ。

とはいえ、ピーク時に比べて半分になってしまった世界需要全体を、アジアの成長だけで埋めきるのは無理である。アジアを頼みつつ、先進国市場の回復を気長に待っているのが業界の現状だろう。

では世界全体の需要はいつ再拡大に転じるのか。コマツは10年1~3月は日本、欧州とも底ばい、米国はさらに減ると見ている。来10年度になれば米国、欧州、日本の順に回復する想定だが、こうした回復の動きはかなり緩慢と予想される。

この環境の中、コマツをはじめ主要建機メーカーは、リーマンショック以降に迅速な在庫削減を実行、工場など生産体制の再編を手がけた。GPS(全地球測位システム)で稼動中の建機の情報を収集、流通在庫から作業現場での稼動状況などをすべて把握。こういった情報をもとに実需を正確に予測し、タイムリーに生産する手法を完成させつつある。こういった経営効率改善策によって、大手建機メーカーは売り上げが半減した今期も黒字を維持する公算。10年度に需要の最悪期を脱すれば、顕著な利益回復がのぞめそうだ。

(山崎 豪敏)

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