いすゞと日野、柱の「ASEAN」で感染拡大の打撃 現地工場が相次ぎ停止、国内生産に影響も

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タイでは4月7日時点で累計2258人の感染が確認され、27人が亡くなった。現地政府は3月末に非常事態宣言を出し、生活必需品以外の販売店舗やナイトクラブなど娯楽施設の営業を禁止。4月3日からは全土に夜間外出禁止令が出されている。

工場一時休止はこうした現地の情勢を鑑みた措置だが、生産調整も兼ねている。新型コロナによる社会的な混乱で、タイや輸出先の国々でピックアップの需要自体が急激に細り、生産にブレーキをかけざるをえなくなった。

タイでは自動車購入ローンの審査厳格化などで2019年半ばから新車需要の冷え込みが顕著だったが、いすゞはフルモデルチェンジした新型D-MAXを昨年秋にタイで先行投入し、2020年1~2月の現地販売が前年を上回る大健闘を見せていた。春以降には豪州や欧州などにも新型車の輸出を順次開始して世界販売を増やす計画だっただけに、今回の新型コロナ騒動は大きな誤算だ。

日野・三菱ふそうも世界各地で工場休止

いすゞと並ぶ商用車の国内大手、日野自動車も新型コロナの影響により、複数の海外工場の操業を停止。4月7日時点では、アメリカ、カナダ、メキシコ、コロンビア、フィリピン、マレーシア、タイ、パキスタンの8カ国で休止状態にある。

この中で影響が大きいのはアメリカとタイだ。アメリカは東南アジア(ASEAN)と並ぶ日野の海外重点地域。2カ所の工場で現地仕様の商用トラックを手がけるが、3月23日から生産が止まっている。4月7日から一時休止したタイの生産拠点(全3工場)は商用車のほか、親会社のトヨタ自動車向けの部品を手がけ、従業員数は合計で2000人を超える。

国内3位の三菱ふそうトラック・バスは、欧州全域での急速な感染者数拡大を受け、3月23日からポルトガルにある工場の操業を停止。また、親会社ダイムラー(ドイツ)のインドの工場が止まったため、同工場に委託している新興国向け中小型トラックの生産に支障が出ている。

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