人工呼吸器、患者急増でも増産阻む「高い壁」 高い輸入依存、部品調達や承認審査に課題

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3月以降の感染者拡大により、待機中の人工呼吸器の数は減っている可能性が高い。安倍首相の表明した台数分を確保するためには新たに装置を確保する必要がある。

人工呼吸器よりも高度な機器であるECMOに関しては医療機器国内大手のテルモが静岡県内の工場で土日もフル稼働で生産を続けている。しかし、日本では人工呼吸器をほとんど輸入に頼っているのが現状だ。

いつ入荷するかわからない

安倍首相は7日の緊急事態宣言発令にともなう記者会見で、「自動車メーカーは人工呼吸器の増産を手助けしてくれている」と強調した。トヨタ自動車は同日、「ノウハウ活用による工程改善など、(人工呼吸器の)生産性向上への協力を検討している」と発表したが、日本で生産する完成品メーカーが少ない以上、どれほどの効果があるかは未知数だ。

厚労省の担当者は「いくつかの会社に(人工呼吸器を)増産できないかヒアリングしている」と述べるにとどまる。

輸入の状況はどうか。医療用電子機器専業の日本光電は、スイスのハミルトン社から集中治療室(ICU)で使用される人工呼吸器を輸入している。輸入台数は現在年間400台程度。それを増やすべく調整をしているが、世界的に人工呼吸器の需要が急増しており、どこまで増やせるかは不透明だ。

スウェーデンのゲティンゲ社から人工呼吸器を輸入している医療用電子機器メーカーのフクダ電子も海外発注をしているが、「いつ入荷するかはわからない」(同社経営企画部)と肩を落とす。

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