新入社員を苦しめる「配属ガチャ」発生の背景 終身雇用前提の制度に若手社員から異論の声

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もちろん、自分の希望を叶えるためには、伝え方を工夫する必要はあります。例えば、どのように伝えればいいかというと、下記がポイントです。

企業にもメリットがある伝え方を意識する(例:自分の武器はコミュニケーション能力であり、アルバイトでの販売経験もあるため、営業として競争の激しい都市部に配属してもらいたい)
多少厚かましくなっても、自分の希望をストレートに伝える(ただ、伝えるのであれば内定後の方が安全。選考中に伝えてしまうと配属難易度が高い分、評価がマイナスになる可能性あり)
最終手段としては、内定辞退や退職を切り札としてほのめかす(これは最終手段ですが、希望が叶わないことで内定辞退や退職するくらいなら、事前に伝えたうえで少しでも可能性を見出す)

このような点を工夫し少しでも自分の希望に沿った配属となるよう努力することも、理想のキャリアを手に入れるためには必要だと考えています。

今だからこそ超短期離職はできるだけ避ける

ここまで配属ガチャによる短期離職が発生する背景を解説してきた。確かに自分の希望に沿わない配属となると、落胆もするし、辞めたくなる気持ちもわかる。

何を隠そう筆者も入社3年目に希望に沿わない配属となって辞めようとした過去がある。

ただ、そのときに「1年間はやってみよう」「ここでも何かしら学ぶことはあるはず」「異動させた上司を後悔させてやる」と気持ちを切り替えて、1年間は仕事を続けた(結局、今の会社立ち上げの話が魅力的すぎて飛びつくように辞めてしまったが……)。

しかし、今の状況はちょっとした感情で辞めるにはあまりにも市況が悪い。新型コロナウイルスの感染拡大により、景気は悪化、軒並み企業は採用を見送るようになっている。このような状況では、正社員という立場を確保しつつ、目の前の仕事で身につけられるスキルや経験を手に入れて、景気がよくなってから自分の希望を叶える転職をしたほうがリスクを最小限にできる。

UZUZが創業した2012年当初、20代の若手人材のニーズは低く、短期離職した第二新卒はどの企業からもそっぽを向かれていた。今回のコロナ不況も同様か、それ以上の不況となると試算されている。

自分のキャリア、生活を守るためにも、ハイカツはやりつつも、希望と違う配属だったとしても根気強く目の前の仕事に取り組みながら次のチャンスを待ってもらいたいと思う。

川畑 翔太郎 UZUZ COLLEGE(ウズウズカレッジ) 代表取締役

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かわばた しょうたろう / Shotaro Kawabata

1986年生まれ、鹿児島出身。高校卒業後、九州大学にて機械航空工学を専攻。大学卒業後、住宅設備メーカーINAX(現・LIXIL)に入社。1年目からキッチン・洗面化粧台の商品開発に携わるも、3年目に製造へ異動し、毎日ロボットと作業スピードを競い合う日々を送る。高校の同級生の誘いと自身のキャリアチェンジのため、「UZUZ」立ち上げに参画。第二新卒・既卒・フリーターといった20代若者への就業支援実績は累計2,000名を超える。2024年よりIT/DX分野の教育研修事業「ウズウズカレッジ」を分社化し代表取締役に就任。就活メディアはこちら、X(旧Twitter)はこちら、YouTubeはこちら

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