「コロナ軽症者に1万床」日本財団が動いた背景 所有する施設を一時滞在施設で提供へ

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東京パラリンピックが1年延期になり、現在は外出自粛要請もあって練習もままならない状態ではあるが、練習再開となってもこの施設が使えるかどうかはわからない。その中で「みんなのために」というパラアスリートたちの思いには頭が下がる。

山脇会長は「2018年6月1日より運営を開始し、これまで稼働日率ほぼ100%で活用されてきました。パラスポーツの日常的な練習のためにご活用いただいているアスリートの皆様には、パラアリーナを一時的に閉館するという今回の決定により、皆様の日常の練習に多大なご迷惑をおかけすることになり大変心苦しく思っております。

世界各地ですでに起こっていることは、スポーツの域を遙かに超えた人類の危機であり、新型コロナ感染拡大を阻止し、人々の命を守ることにあらゆる手をつくすことが最優先であると思います。アスリートの皆様、関係者の皆様、またパラリンピック、パラスポーツを応援いただいているファンの皆様と共に、この困難な時期を乗り越え、健康で安心安全な社会を取り戻すことに全力で取り組んでまいります」とパラサポHPでコメントを発信した。

パラアリーナとはどんな施設なのか?

国内感染者が4000人に達したが、障がい者の情報は伝わってこない。パラアリーナはパラスポーツの専用施設なので、「ユニバーサルデザイン」を採用したバリアフリーの施設だ。

トイレ、洗面所、シャワーなど、障がい者が使いやすいように設計されていて、点字ブロックも随所にあり、障がい者が感染した場合に、既存の施設に比べてあまり不自由を感じずに過ごせるだろう。

パラアリーナ全体で3000平方メートルの場所を確保できるといい、その多くを占める体育館は、自然災害時の学校体育館の避難所のようにベッドと仕切りがあればすぐにでも使用可能だ。感染者が対象なので、医療関係者がきちんと防護すれば、他に感染することもない。

「専門家の意見をきちっと聞いて、まずは外側をきちっと作って、中はいかようにもできる。家族単位の仕切りも必要だということなので、臨機応変に対応できるようにしたい。予想してこうだということでは危機対応ができないと思っている」としている。

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