コロナで韓国企業が崖っぷちに追い込まれる 自動車、航空などを直撃、経済停滞は不可避に
新型コロナウイルスが韓国の産業全般に深刻な被害を与えている。製造業、サービス業を問わず、韓国国内産業のすべてに及んでいる。
今回の事態は、「2020年はV字型の景気回復」という年初の政府の期待を見事にへし折った。延世大学経済学部のソン・テウン教授は「景気全般が悪化しているうえに、コロナウイルスで韓国の景気はさらに落ち込み始めた。特に海外市場への依存度が高く、国際的なサプライチェーンにつながっている企業は厳しい。雇用も悪化し、景気はさらに落ち込むだろう」と心配する。
自動車のサプライチェーンを寸断
今回の被害の代表例は、現代自動車グループだ。コロナの感染が広がり、世界的な供給網が崩壊したことで大打撃を受けている。今後は、自動車への需要減少も予想されている。
2020年3月19日、現代自動車の株価は終値で6万5900ウォン(約5780円)まで下落した。これは、リーマンショック後、国際市場で本格的な成長を始めた2009年5月の水準に戻ったことになる。起亜自動車、現代モービスなど、同グループの主力企業の株価も大きく下落している。
現代自動車の世界販売台数は10年ぶりの最低水準となった。2020年2月の世界販売台数は23万5745台と、前年同期比10.2%減。特に中国での販売が急減し、2月の販売台数は1007台にとどまった。2019年2月は3万8017台だった。同期間、起亜自動車の販売台数も2万2031台から972台と減少。中国の現地工場の稼働は中断し、営業店舗も休業している。
世界の供給網が中断した影響はさらに広がっている。車体に多様な電子部品を連結する「ワイヤリングハーネス」などを中国の工場から調達していたが、工場の稼働が数日間中断した。これは現代自動車と起亜自動車だけでなく、ルノーサムスン、韓国GM、サンヨン(双龍)自動車も同じような影響を受けている。国際的な供給網の寸断が産業に悪影響を与えた代表例となった。
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