コロナで韓国企業が崖っぷちに追い込まれる 自動車、航空などを直撃、経済停滞は不可避に

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航空会社は職員らの有給・無給休職を実施した。大韓航空は客室乗務員を対象に無給休職を呼びかけ、アシアナ航空も全職員が10日間の無給休職を実施した。LCC(格安航空会社)6社もまた、有給・無給休職か短縮勤務を実施している。

航空業界の全職員約4万人の20%ほどが休職しているとされている。さらに、これまで慢性的な人不足に悩んでいたパイロット(約300人)を対象に、無給休暇の申請を受け付けている。例えばイースター航空のパイロット労働組合は、経営危機の克服と苦痛の分担を目的に、賃金の25%を自主返却すると会社側に提案した。

旅行業界では倒産企業が続出

最大の問題は、この先いつまで我慢すればよいのかわからないということだ。2003年のSARSや2015年のMERS(中東呼吸器症候群)のときを振り返れば、感染症は2~3カ月間は航空需要に大打撃を与え、その後需要回復までに最長6カ月が必要だった。

今回の新型コロナウイルスが小康状態に入ったと言っても、少なくとも2020年の上半期までは現在の状況が続く可能性が高い。そのため、2020年いっぱいは耐える必要がありそうだ。世宗大学経営学部のファン・ヨンシク教授は、「無給休職などで固定費を圧縮しても、その金額は航空機のリースと追加費用より少ない。グループ内の親会社から現金支援を受けられない航空会社は、危機を乗り越えることは簡単ではないだろう」と言う。

旅行業界は、航空業界よりもさらに深刻だ。休業どころかすでに倒産する企業も続出している。1月20日から3月13日までに廃業した韓国内外の一般旅行会社は56社との調査結果もある。ソウル市内中心部の大型ホテルが相次いで臨時休業に入り、外国人の団体観光客が主な顧客だったこれらホテルは、最長で4月末まで営業を中断する。

一方で、石油化学業界は原油価格の下落に苦しんでいる。韓国最大手のエスオイル社は1976年の創業以降としては初めて、希望退職者の募集を検討している。新型コロナウイルスの影響ではないが、すでにこれまでの経営難で体力が落ちている企業も、今回の事態で崖っぷちに追い込まれている。

例えば韓国5位の海運業である興亜(フンア)海運が、ついに債権者団の共同管理を申請した。申請に追い込まれたのはコロナウイルスが主な理由ではない。同社はこれまで、東南アジア航路の船舶過剰供給でコンテナ市況が悪化し、2016年以降の業績が悪化していた。これまで資産売却などを繰り返していたが、改善効果は得られずにいた。

売り上げ減少が続いていた斗山(ドゥサン)重工業も窮地に追いやられた。同社は2月に希望退職者を募集。全社休業を検討するほどまで経営状態が悪化している。同社が2020年に償還すべき社債は1兆2435億ウォン(約1100億円)で、4月の6000億ウォン(約530億円)を皮切りに6月までに保有資金の大部分を差し出さなければならない。同社のキャッシュフロー創出能力を考えると、手に余る規模だ。(韓国『中央日報エコノミスト』2020年3月30日号)

韓国「中央日報エコノミスト」
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