コロナで韓国企業が崖っぷちに追い込まれる 自動車、航空などを直撃、経済停滞は不可避に

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幸いにも、中国の感染状況は収束段階に入ったようだ。韓国でもピークは過ぎたと見られている。しかし、もう1つ別の問題が始まった。コロナウイルスの感染者が、これら企業にとって最大の輸出市場であるアメリカとヨーロッパに広がり、現地での需要が減少しそうなのだ。

2020年1~3月は中国市場の沈滞とサプライチェーンの崩壊で厳しい結果だった。4~6月はアメリカとヨーロッパにおける販売に赤信号が灯り始めた。

欧米の需要減退は避けられない

2020年2月の現代自動車の販売実績は、北米とヨーロッパで持ちこたえ、大幅な業績悪化を避けることができた。2017年にTHAAD(地上配備型ミサイル迎撃システム)配備に中国が反発し、韓国に対して報復措置を行ってから、同社は欧米での販売に注力した。その結果、2019年の現代自動車グループ全体の売上高で北米とヨーロッパが占める割合は51.7%に達した。

韓国投資証券のキム・ジンウ研究員は、「世界の主要自動車メーカーが欧米に持つ工場の稼働が相次いで止まっている。その分、景気も悪化し、需要減退は避けられない」と分析する。

アメリカにある現代自動車のアラバマ工場では、従業員1人が新型コロナウイルス感染症の陽性と診断され、3月18日午前から稼働を停止している。ヨーロッパでも工場の稼働が中断する可能性がある。同社のチェコ工場の労働組合は14日間の操業中断と防疫の徹底を要求しているという。

完成車メーカーの危機は、そのまま自動車部品業界にとっての危機でもある。韓国2位の自動車部品メーカーであるマンド社は最近、製造職社員を対象に希望退職を募った。さらに社内のジョブシェアリング(循環休業、雇用者を解雇させることなく、雇用者が順番に休業すること)を推進するという。自動車販売の不振が続けば、工場の稼働率はさらに下がると考えた末の決定だ。

同社が製造職で希望退職に踏み切ったのは2008年以来のことだ。バッテリーメーカーや鉄鋼メーカーの危機感は大きい。世界的な自動車の販売不振が広がり、2020年の上半期の業績悪化は避けられないという。SKイノベーションとLG化学、サムスンSDIなど韓国のバッテリーシェル生産企業3社は、欧米などに生産拠点を置いており、工場の稼働中断というリスクも抱えるようになった。

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