《ディズニーの正体》オリエンタルランド独り勝ちゆえの悩み、描ききれない次の成長戦略
「これまでの新規事業は、うちの強みを生かせる分野とはいえなかった」(横田経理部長)。OLCにとってはテーマパーク事業の高い利益率が、新規事業進出の足かせとなってきた側面もある。テーマパーク事業の利益率は11・2%(09年3月期)。理屈でいえば、新規事業を行うには少なくともそれと同様の利益率が求められる。そうでなければ、資本効率の改善にはつながらないためだ。
高いリターンが期待できる舞浜でさらなる事業拡大を図るべきという考えもある。
駐車場の立体化などによってまだ土地を確保することはでき、加賀見俊夫会長は「第三パーク構想」にも言及している。ただ、これ以上「舞浜一本足打法」を強めることは、リスク分散という点からも、ベストシナリオとは言いがたい。脱・舞浜や非ディズニー事業の育成も必要なことだろう。
OLCは10年5月には中期計画を発表する。「明確な成長戦略を描けなければ、意味のない計画になる」(石原太郎・大和証券SMBCシニアアナリスト)。真のエクセレントカンパニーに脱皮できるか。今OLCは岐路に立っている。
(週刊東洋経済)
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