《ディズニーの正体》オリエンタルランド独り勝ちゆえの悩み、描ききれない次の成長戦略

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 OLCの営業利益のうち、テーマパーク事業の構成比は実に86%(09年3月期)。そのテーマパークについては、現状でもまだ拡大の余地があるのは確かだ。「特にディズニーシーにはポテンシャルがある。今後はシーを伸ばす施策を重点的に行う」(明石泰典・テーマパーク統括部長)。

当初「大人向け」と喧伝されたディズニーシーだが、今後はファミリー層を意識したアトラクションを拡大。ディズニーキャラクターの露出も増やす。その目玉が11年に投入される新アトラクション「トイ・ストーリー・マニア!」だ。ディズニーシーには東京ディズニーランドの倍近い初期投資をかけており、同パークの収益性を高めることが、ROEの改善にもつながる。

関東からの来園客が全体の約7割

現在、東京ディズニーリゾートの来園客には大きな偏りがある。年齢別では18~39歳の層が51・2%、地域別では関東からの来園が67・1%にも上る(09年4~9月期)。逆にいえば、それ以外の層・地域は取り込めていない。たとえば40~50代や海外客。こうした層が成長ののりしろとなる。

今後は料金値上げも視野に入る。現在一般の入園料は5800円。平均の滞在時間約8時間半で割れば、1時間当たりの料金は700円程度と、決して高くない。06年に実施した前回の値上げ以降、すでに三つの新規アトラクションを導入しており、「当時と比べ、パークの価値は確実に上がっている。(値上げをするかどうかは)経済環境の動向次第」(横田明宜・執行役員経理部長)。

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