《ディズニーの正体》東京ディズニーリゾート、リピーター獲得の秘訣
千葉県浦安市舞浜の東京ディズニーシー。2009年11月10日から12月25日まで開催された2009年のクリスマスイベントの目玉は、パークの中央にある“海”で行われる光のステージ「キャンドルライト・リフレクションズ」。7年目のこのショーは、09年が最後の公演となった。
「ショーが最後と聞いたので来ました。ここにいると日常を忘れる。海外にいるのと同じような気分になれます」。川崎市から来園した女性(24)はそう笑みをこぼす。
日本で特別な存在感を放つ東京ティズニーリゾート(TDR)。2009年度は前期の25周年イベントの反動があるため、4~9月の入園客数は5・7%減少した。それでも年間では2560万人と、過去3番目の水準を維持する見通しだ。ウォルト・ディズニー・イマジニアリングで東京を担当するジョー・ランジセロ・シニアバイスプレジデントは「ほかのディズニーランドと比べて、東京は特にディープなファンに支えられている」と話す。
年齢別マーケティングはあえて重視しない
TDRはオリエンタルランド(OLC)が米ウォルト・ディズニー側とライセンス契約を結び、運営する。両社の間に資本関係はない。毎年、OLCがディズニー側に支払うロイヤルティは、売上高の7%程度。過去最高の売上高となった前期は、OLCからディズニー側に221億円ものロイヤルティが転がり込んだ。
開業から26年目を迎えるTDRの来園者は、ほとんどがリピーターだ。TDRがリピーターを引き付ける要因はさまざまある。首都圏という世界でもまれな、大市場から程近い立地。TDRの代名詞ともいえる顧客サービス。ハード面では次々と新アトラクションを投入し、顧客に新しい体験を提供する。TDRでは09年、二つの新規アトラクションを投入した。11年以降もすでに三つの新設が決まっている(上図)。