「先日、葬儀社から2000個の返礼品の注文があったが、葬儀後に1500個が返品として戻ってきた。大きな葬儀になると、参列者数が予想しにくいので返礼品は多めに用意するが、平常時だったら1000個位は出るものが、コロナの影響で半分の500個しか出なかった」(返礼品を扱うギフト業者)
「葬儀社から会葬者は500人が見込まれ、料理は300人分を用意してほしいとの注文があった。だが、コロナの影響で親族20人のみの密葬に変更するとの連絡を受け、料理も単価の安い折り詰め弁当になった」(食事を配膳・提供するケータリング業者)
葬儀には、葬儀社だけでなく、返礼品、料理、生花などさまざまな業種の業者が関わっており、冒頭のような声が多く聞こえ、葬儀の規模縮小などが起きている。
多くの人が会場に集まり飲食などを共にすることから感染防止のため、規模縮小に踏み切る家族も少なくないようだ。喪主やその家族からすると、感染リスクを少しでも減らすためにそういった動きはあって当然だ。実際、愛媛県は松山市内で営まれた通夜や葬儀で集団感染が起きたことを発表している。
新型コロナウイルスによって、葬儀業界では何が起き、各社どのように対応しようとしているのか取材した。
参列者が減少
新型コロナウイルスによる葬儀業界における影響は、日に日に増してきている。
葬儀社紹介会社の「よりそう」が、同社の提携葬儀社を対象として2月28日~3月4日の間に実施したインターネットによる緊急アンケート調査では(有効回答数64件)、「コロナウイルスの感染拡大の影響を感じる」と回答した葬儀社は全体の約3割。具体的な影響としては、3割のうち「家族葬・密葬を選ぶ割合が増加した」とした葬儀会社は、約半数だった。
その10日後、同じく葬儀社紹介会社の「鎌倉新書」が、同社の提携葬儀社を対象として3月10日から14日の間に行ったインターネットによるアンケート調査では(有効回答数128件)、「参列者は減少した」と回答した葬儀社は、全体の約48%に上った。
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