「毒親」の母が認知症になったら介護できますか シングルマザーの道を選んだ39歳女性の幸福

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20歳を超えても、母親は突然スカートをめくって下着のチェックをしたり、就職活動にも口を出す。

「大学に入っても就職しても、母は私を一人前と認めてはくれず、『あんたが一人暮らしなんてできるわけがない』と言われ続けて、私もそう思い込んでいました」

やっと家を出られたのは、27歳のとき。

両親が家を購入することになり、職場から遠くなるし残業で遅くなるから……という理由で、都内で一人暮らしを開始。

しかし、それからまもなく母親は部屋が片付けられなくなり、物忘れが増え、購入したばかりの家はみるみるゴミ屋敷状態になっていった。

通い介護中に「妊娠」が発覚

2016年7月。松永さんは平日は都内で仕事、土日は実家で介護を始める。母親は毎日決まった行動をとる「常同行動」という症状が出ていた。買い物が好きだったため、車を運転して決まったスーパーに出かけては、必ず同じものを買ってきてしまう。

「毎日1万円ほど使って、牛肉ステーキ、ブロッコリー、キャベツ、豚肉薄切り、骨付き鶏肉などを買ってくるものですから、冷蔵庫はいっぱい。入り切らないものはキッチンに山積みになって、腐っていました」

松永さんは、まず母親に介護認定を受けさせ、デイサービスの利用を開始。車の鍵を取り上げ、実家の片付けに取りかかる。

流しの中は、洗っていない食器や焦げついた鍋であふれていた。冷蔵庫の中は野菜が液状化。肉類は腐って異臭を放ち、調味料入れを開けるとコバエだらけ。冷蔵庫も調味料入れも、中身を全部処分し、丸洗いした。ところが、3つ捨てても2つ母親に戻される。

言い聞かせても拒否され、納得してくれるときもあったが、数時間後には納得したことを忘れている。

松永さんは、母親がデイサービスなどで外出している間や就寝中に片付け、ゴミ収集車が来る直前までゴミを隠しておき、ギリギリに出すなどの工夫をした。

そして2018年2月、松永さんに妊娠が発覚。

パートナーに妊娠を伝えると、中絶するよう言われる。松永さんはパートナーと別れ、1人で産み、育てる覚悟をする。

家族に妊娠を伝えると、父親は「せっかく授かったのに堕ろしたら後悔する。お金のことなら心配いらない。無事産むことに専念してほしい」と賛成。妹は「赤ちゃん好きだし楽しみ! 一緒に育てよう!」と喜んだ。ただ母親だけは「お父さんがいない子なんてかわいそう」と難色を示した。

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