2011年の東日本大震災以来、久々にトイレットペーパーが薬局やスーパーから姿を消した。1973年のオイルショック以降、日本人は有事の際、トイレットペーパーを買い占める行動様式を示すようになった。
連日ドラッグストアには開店前からトイレットペーパーやティッシュペーパーを求める行列ができている。マスクについてはもう店頭で見かけることさえ難しい。コンビニではトイレットペーパーを盗む不届き者がいるためトイレの使用禁止に踏み切る店も出たようだ。
3月15日からマスクの転売が禁止されたが、それまでにとんでもない高額でマスクを転売する例も続出した。「価格は市場の原理で決まるもの」と転売を正当化する者もいたが、これは単に「小ずるい」だけである。
静岡県の県議が自身の経営する貿易会社の在庫マスクを転売して約888万円の売り上げがあり批判を浴びたが、本人は転売ではないと主張した。転売か転売ではないかという本人の認識はどうでもいいが、社会不安に乗じて小ずるい連中が利益を得るさまを見るのは正直不快である。
3月19日、専門家委員会による休校の解除発表などにより、コロナ騒動も一旦、弛緩ムードが広まった。当時は明らかに人々が「コロナ疲れ」から解放されたいと思い、日常を取り戻そうとしていたのか、3月20〜22日の三連休には、代々木公園などでは花見を楽しむ観光客も多くいた。
3月24日19時頃に東京メトロ千代田線に乗ると、前週とはレベルが違うほどの混雑ぶりで「あっ、これはマズい」と思った矢先、翌日にタレントの志村けんさんの感染が発覚。3月30日には東京五輪延期決定が報道され、再び自粛ムードが復活した。
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